女性:質問一覧

気になる症状やキーワードのある質問を選択してください。質問を選択しますと下に回答が表示されます。

  • 乳房の問題

昨日より、乳房が痛く、乳腺が腫れているような感じもします。

乳がんの症状なのでしょうか。

乳房の痛みのほかに、皮膚が赤くなっていたり、熱を持っていたりする場合は、乳腺の炎症や乳がんの可能性があります。 痛みがあっても、皮膚が赤くなる、熱を持つなどの症状が無い場合には、痛みの原因はほとんど女性ホルモンの働きによるものと考えられていますが、詳細はまだ分かっていません。

痛みがあることがイコール乳がんということではありませんが、痛みをきっかけに検査をしてみて、乳がんが発見されたということはあります。 乳がんの場合、ほかに多い症状としては、しこりや乳房にえくぼのようなくぼみができることなどがあります。 もし、このような症状も見られる場合には、早めに乳腺外科で診ていただくと安心でしょう。

もし痛み以外に症状が無くても、最近乳がん検診をうけていないということであれば、これを機に受けていただくと安心でしょう。

  • 乳房の問題

ブラジャーに、連日黄色いしみがつきます。

乳頭からの分泌物のようですが、何かの病気でしょうか。

妊娠や授乳をしていないにも関わらず、乳頭から分泌物が見られる場合、治療が必要な病気が隠れていないかを確認することが大切です。

乳頭から分泌物がでる場合、ホルモンが関係していたり、乳頭腫のような良性のできものが原因であったり、特に治療すべき病気がなくてもみられることがあります。
血が混じった分泌物が見られた場合には、良性の乳腺疾患以外に、乳がんの可能性もあるので詳細な検査が必要になります。
また、ある特定のお薬を服用されている場合には、薬の影響で乳汁がでることもあります。

乳頭から分泌物が見られた場合には、まずマンモグラフィや超音波検査、分泌物細胞診などの検査をすることが一般的です。
ホルモンが関係する病気が考えられる場合には、ホルモンバランスを調べる血液検査などをおこなうことがあります。

透明や薄黄色い分泌物の場合は、まず良性と考えられますが、わずかな血液は目で見えないこともあるので、念のために乳腺専門医に受診されることをおすすめいたします。

  • 乳房の検査

マンモグラフィとエコー(超音波)検査は、どちらを受ければいいのでしょうか。

健康診断の案内でどちらかを選べるようになっているのですが、違いがわかりません(40代女性)。

エコー検査はマンモグラフィに比べてしこりの形までよくわかるので、小さなしこりの検出などを含め優れていますが、一般に石灰化の検出は苦手です。一方、マンモグラフィは石灰化の検出に優れているので、その形や分布がエコーと違ってよく分かり、異常を発見することができるという特徴があります。

20~30歳代ではエコー検査が有効といわれています。この年代は乳腺が密のために、マンモグラフィ検査では背景が白く写りしこりが見つけにくいためです。 加齢とともに乳腺が退化して脂肪に置き換わると、背景が黒く写るようになって異常がわかりやすくなってくるため、一般に40歳以降はマンモグラフィ検査でも、しこりの存在は見やすくなります。 しかしながら、なかには40歳代であってもまだまだ背景が白く写り、触診でしこりが触れても画像に写らないこともあります。

以上の理由で、40歳代については、マンモグラフィとエコー検査の併用、あるいは隔年での実施が望ましいと考えられています。

  • 検査所見

乳がん検診でマンモグラフィを受け、石灰化があるといわれました。

石灰化とはいったどのようなことなのでしょうか。がん化するのではないかと心配です。

今回いわれている「石灰化」とは、乳腺内にできるカルシウムの集まりを示しています。この所見は悪性であっても良性であってもみられますが、分布や形によって悪性を疑うかどうかの判断をします。 石灰化イコールがんではないということです。 もしも、がんを疑う所見であれば医師は精密検査をすすめてくるでしょう。 良性なのか悪性なのか、はっきりしない所見であれば、その程度によって精密検査あるいは経過観察という判定になります。

検診結果の判定を確認いただき、指示通りに検査を受けていただくことをおすすめします。

  • 病理検査

センチネルリンパ節生検を受けることになりました。

どのような検査ですか。

センチネルリンパ節生検は、腋窩(えきか:わきの下)のリンパ節の中でも、最初にがん細胞がたどり着くと考えられるセンチネル(sentinel:英語で「見張り」という意味)リンパ節に、がん細胞があるかどうかを調べる検査です。 センチネルリンパ節生検の適応になるのは、しこりが小さく、リンパ節転移の可能性が低い場合です。

センチネルリンパ節にがん細胞がなければ、その先のリンパ節にも転移はないと判断できますので、不必要なリンパ節郭清(リンパ節を取り除くこと)が省略できます。 そのため、上腕のむくみ、腕が上がりにくい、しびれるなどのリンパ節郭清に伴う合併症を軽減できます。

センチネルリンパ節は肉眼で特定することができません。そこで、乳房に色素や放射性アイソトープ(わずかな放射線を発する物質)を注射すると、リンパ管を流れてセンチネルリンパ節に集まるので、そのリンパ節を切除して、がん細胞があるかどうかを顕微鏡で調べます。

センチネルリンパ節生検は、すでに多くの病院で実施されており、信頼できる方法であることが報告されています。 ご不安なことは乳腺科専門医によくご相談されるとよろしいかと思います。

  • がん

ステージⅡbの乳がんといわれました。

手術をおこなう前に、抗がん剤での治療をおこなうと説明されました。このような方法は良くおこなわれるのでしょうか。

乳がんのステージⅡb期とは、しこりの大きさが2~5㎝でわきの下のリンパ節への転移がある状態です。

ステージⅠ、IIa、IIb期のがんは、大きさが比較的小さく、広い範囲に石灰化(乳腺内にできるカルシウムの集まり)がない場合や、がんが乳頭から離れている場合は、「乳房温存手術(しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法)」が可能と考えられています。

今回説明された手術前におこなう薬物療法のことを「術前化学療法」と呼びます。 術前化学療法は、しこりが大きいために乳房温存手術が困難な場合にも、乳房を温存できるようにしたり、切除範囲を小さくしたりすることを目的におこないます。また、使用した薬剤の効果も判断することができます。

治療については、今後も主治医とよくご相談いただき、納得されて治療を受けることをおすすめします。

  • セカンドオピニオン

乳がんと診断され、セカンドオピニオンを受けようか悩んでいます。

セカンドオピニオンとは、どのようなものですか。

セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師に診断や治療方針などについて意見を聞くことで、納得して治療を受けていただくための方法です。

基本的には、診断結果や治療方針に疑問がある場合には、まず改めて主治医に相談しましょう。その上で、別の医師の意見も聞いてみたいと思われる場合には、セカンドオピニオンを検討します。

セカンドオピニオンを希望される場合には、主治医にその旨を伝え、病状や経過を記載した紹介状、検査データ、レントゲンやCTなどの画像データ、病理報告書等を揃えていただきます。 主治医に言いにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にセカンドオピニオンを嫌がるお医者さんはいませんのでご安心ください。

次に、意見を聞きに行きたい医療機関の「セカンドオピニオン外来」を予約します。 セカンドオピニオン外来は保険適応になりませんので、自費診療となります。金額は医療機関によって異なりますので、予約の際に確認しておくとよいでしょう。

当日は、可能であればご家族の方と一緒にお話を聞いていただくと、ご安心かと思います。

セカンドオピニオンで主治医の方針と異なる結果がでても、まずは主治医とその結果についてご相談ください。その上で、どの病院で今後治療をおこなっていくのかを納得いくまでお話しいただければと思います。

  • 生理の周期

旅行に行くため、生理を遅らせたいです。

病院で相談したところ、ピルを処方されました。ピルの副作用について教えてください。また、自費での診療となりましたが、なぜでしょうか。

まず、月経(生理)を遅らせたいという場合、具体的には、月経予定日の5日くらい前から女性ホルモン剤(ピル)を服用して、都合に応じて2週間くらい飲んでいただくことになります。服用を中止すれば、3~5日後くらいに生理がくるのが一般的です。

ピルの副作用で最も心配な副作用は、「血栓症」です。症状として、足の痛みやむくみ、激しい頭痛、胸痛、突然の息切れなどが現れた場合には、服用を直ちに中止し、医師の診察を受けてください。旅行で飛行機に乗る場合には、エコノミークラス症候群(飛行機などの交通機関を利用した長時間旅行に関連しておこる静脈血栓症)に注意が必要です。その他の副作用として、発疹、吐き気、熱感、むくみ、血圧上昇、肝障害、乳房痛などが報告されています。また、喫煙すると心臓・血管系の副作用の危険性が増すといわれていますので注意しましょう。

この薬を保険診療で処方できるのは、機能性子宮出血(ホルモンバランスが崩れることによっておこる不正出血)、月経困難症、月経周期異常、過多月経、子宮内膜症、卵巣機能不全などです。

「旅行で生理を遅らせる」という目的でピルを処方する場合には、病気ではないために、健康保険適用とならず、全て自費扱いになります。

ピルを使った月経のコントロールについては、以上のとおりです。ご心配な点は服用開始前に婦人科で相談してください。

  • 生理の痛み

生理痛に悩まされています。

現在は市販の鎮痛薬で対応していますが、痛みがとりきれません。

月経(生理)痛については、程度の差こそあれ、月経のある女性の70%程度が感じているといわれていて、医学的には月経困難症とよびます。腹痛や腰痛に加えて吐き気、頭痛などを伴うこともあり、日常生活に支障がでるほどひどいこともあります。

原因は卵巣機能異常、自律神経失調、子宮血管の収縮などが考えられ、心理的な要因が関係することもあります。また、子宮筋腫や子宮内膜症がある場合には、月経痛がひどくなることもあります。

一般的な治療としては、抗プロスタグランジン薬という鎮痛薬による対症療法をまずおこないます。女性ホルモン剤(ピル)の内服による対処方法もあります。その他、漢方薬によりある程度痛みが和らぐ場合もあります。

市販薬で改善しない程辛い症状であれば、婦人科の病気が原因のこともあるため、一度婦人科で相談されることをおすすめします。

  • 不正出血

生理以外の時期に出血があります。

何が原因でしょうか。

月経(生理)以外の不正出血がみられた場合、考えられる原因にはさまざまなものがあります。 例えば、子宮筋腫、子宮の炎症、ホルモンバランスの乱れ、腟炎、婦人科系の悪性腫瘍(がん)などで見られます。この他にも、排卵時に少量出血することもあります。

不正出血が見られた場合は、原因を特定することが大切です。 まずは、念のため早めに婦人科を受診されることをおすすめします。 その際、基礎体温をつけていれば、診察時にお持ちいただくとよいでしょう。また、いつ頃出血したのか、どのような色・量の出血があったのかをメモして受診するとよいかと思います。

  • 生理の周期

生理不順で、3ヶ月以上生理がきていません。

どんな原因が考えられるでしょうか。

月経(生理)が3ヶ月以上こない場合には、以下のことなどが考えられます。

  1. 1.妊娠の可能性
  2. 2.脳の視床下部や脳下垂体の問題
    1. 下垂体部の腫瘍など
  3. 3.卵巣の問題
    1. 卵巣ホルモンの異常、早発閉経など
  4. 4.子宮の問題
    1. 子宮の感染症、形態の異常など
  5. 5.内服している薬の影響
  6. 6.急なダイエットの影響
  7. 7.ストレスや不規則な生活の影響

まず、妊娠の可能性がないか確認し、妊娠反応が陰性であれば、次にホルモン(プロラクチン、ゴナドトロピン、コルチゾールなど)の異常がないかどうか、脳下垂体の腫瘍などの病気がないかどうかを確認することが必要です。

原因を特定するためにも、婦人科を受診してご相談されることをおすすめします。

  • 生理の周期

中学生の娘の生理周期がバラバラで、出血量も多いです。

病気ではないかと心配しています。

月経(生理)周期の一般的な目安は25日~38日ですが個人差があります。月経周期の数え方は、月経が始まった日~次の月経が来るまでを数えます。毎回、ぴったりと同じ日数でなければいけないということではありません。月経周期が24日以下の場合を「頻発月経」、月経周期が39日以上の場合を「希発月経」と呼びます。

例え、希発月経だったとしても、中学生の頃は卵巣機能が未熟で無排卵のこともよくあります。高校生くらいに達するまでは月経周期はなかなか安定しないお子様もいらっしゃいます。そのため、たいていの場合はしばらく様子を見ることが多いですが、60日以上、月経が来ない場合には、一度受診することをおすすめします。また、夜用のナプキンを使用しても間に合わないような出血量ですと、貧血を起こしてしまう可能性もあるので心配です。貧血症状としてふらつきや立ちくらみ、朝礼での失神などがあるようなら、その場合も婦人科の医師にご相談することをおすすめします。

もし、お子様が無理なダイエットなどをしている様子があれば、それも原因となることがあるため、食生活を見直していただくとよいでしょう。

  • 生理の痛み

出産すると生理痛が楽になったという話をよく聞きますが本当ですか。

全ての人に当てはまるわけではなく、産前より産後の方が月経(生理)痛がひどくなったという人もいます。ですが、出産後に月経痛が軽くなるという方は多いです。

この要因は色々な説がありますが、赤ちゃんが子宮から外へでるときに、子宮頸管という子宮の入り口を押し広げてくれることが関係しているのではないかといわれています。
出産経験のない人は、出産経験者に比べて子宮口が小さく、子宮頸管も硬くて狭いことが多いです。そのため、月経血がスムーズに流れ出ず、この流れにくい血液を押しだそうと子宮が強く収縮することで月経痛がおこると考えられています。出産を経験すると月経血の流れがよくなり、月経痛も軽くなるのかもしれません。

  • 更年期

急にのぼせたり、寒いのに手足が火照るなどの症状があります。

生理も不定期になってきていますが、更年期障害でしょうか。

卵巣での女性ホルモンの産生分泌がおこなわれなくなるために、生理がなくなると、閉経(生理が1年以上みられなくなった状態)となります。個人差は大きくありますが、日本人の平均閉経年齢は50.5歳といわれています。

更年期とは、閉経する前後5年間、つまり約10年の期間をさしています。更年期はホルモンのバランスが大きく乱れ、様々な症状が現れます。

具体的には、「のぼせ」、「ほてり」、「発汗」、「腰や手足が冷える」といった症状がみられるのが一般的です。このような症状は固定せずに、時々刻々変化に富むことも特徴とされています。また、精神的にも、「憂うつ」、「意欲がわかない」、「不眠」、「不安感」、「神経質」、「イライラする」、「興奮しやすい」などの症状がしばしばみられます。

更年期障害は、時期がきて、からだが適応してくることで症状が落ち着く場合もあります。しかし、日常生活に支障をきたす場合には治療がおこなわれます。治療としては、ホルモン補充療法や漢方などがあります。

更年期障害以外にもそれらの症状から別の病気の可能性も考えられますので、一度医師にご相談されることをおすすめします。

  • 健康管理

更年期をむかえ、骨粗しょう症が心配です。

カルシウムは一日にどのくらい摂ればよいのでしょうか。毎食牛乳をコップ1杯、朝と夜にフルーツを入れた無糖のヨーグルトを食べています。

更年期以降は、女性ホルモンの関係で骨量が急激に低下しやすいため、骨粗しょう症のリスクが高まるといわれています。 この時期から骨量を食事で増やすことは難しいのですが、急激な骨密度の低下を防ぐことは可能です。 以下の食事や運動を取り入れて、骨量を低下させないことがポイントです。

1.カルシウムを補給する

牛乳やヨーグルトなどの乳製品は1日200~300gが目安です。それ以上になると、脂質やコレステロールを多く摂取することになりますので注意が必要です。

2.ビタミンDをしっかり摂る

カルシウムはビタミンDを一緒に摂ると吸収がよくなります。 ビタミンDを多く含む食品(鮭やかれい、まぐろ、きくらげ、干ししいたけなど)を摂るだけでなく、日光を浴びることでも体内で生産することができます。

3.定期的に運動をおこなう

骨を支える筋肉も低下すると言われていますので、筋肉を維持するために定期的な運動を取り入れましょう。ウォーキングや水泳などの体に負担が少ない有酸素運動がおすすめです。

  • 妊娠と放射線

妊娠4~5週頃に市の健診で胸部X線撮影と胃の透視検査を受けました。

現在、妊娠7週です。放射線被ばくにより、将来生まれてくる子どもに白血病やがんなどが発症しないか心配です。

まず、放射線による胎児への影響ですが、胸部X線撮影では放射線が骨盤の方には照射されませんので、胎児被ばくはほとんどないと考えていいでしょう。

胃のバリウム検査ですが、その場合でも、骨盤内を直接透視するわけではないので、胎児に被ばくすることはほとんどありません。 胃のバリウム検査で腹部に受ける線量と比べると、子宮のある骨盤内にはその100分の1以下程度の影響しかないと考えられます。 胎児に対する被ばくが問題になる線量と比べれば、これははるかに少なく、胎児に及ぼす影響はないと思われます。

  • 妊娠関連

歯の治療中に妊娠していることが分かりました。

妊娠初期に歯の治療をおこなっても大丈夫でしょうか。

妊娠初期は、胎児の成長にとって非常に重要な時期です。
この時期に痛みの強い治療や、同じ姿勢を長時間強いられる時間のかかる治療をすることは、妊婦さんにストレスが加わるので、避けたほうがよいといわれています。
しかし、歯の痛みが激しい場合、歯茎の腫れや化膿がある場合には、我慢せずに、歯科を受診して相談しましょう。
一般的には、妊娠4~8ヶ月の時期であれば歯科治療をしてもさしつかえないとされています。
8ヶ月以降は早産の危険性があるので、応急処置程度にとどめ、出産後に治療をするようにしましょう。
抗菌薬や鎮痛剤などの薬の使用にあたっては、妊娠中全ての時期において、胎児の発育に影響がでることもあるため必ず医師の指示に従ってください。

ご相談のようにすでに治療を始めているときには、今後の歯科治療について、歯科と産科のそれぞれの先生によく相談してから受けるようにしましょう。

  • 妊娠と予防接種

妊娠中や授乳中に予防接種をしても問題ないですか。

生ワクチンである麻疹風疹ワクチンやおたふくかぜワクチン、水痘ワクチンなどの接種は、胎児への影響を考慮して、妊娠中の全期間を通じて禁忌とされています。そのため、これらのワクチンの接種を希望する方は、妊娠していない時に接種すること、また、ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないように注意する必要があります。

肺炎球菌ワクチンやB型肝炎ワクチンなどの不活化ワクチン※1、破傷風やジフテリアなどのトキソイド※2は、生ワクチンよりも安全であるため、妊娠中の接種も認められていますが、基本的に接種による有益性が感染による危険性を上回る場合のみ接種することとされています。
特に、妊娠初期は自然流産の確率も高い時期であるため、この時期での接種は避けたほうがよいと考えられています。インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)については、妊娠中にインフルエンザを発症した場合の重要度を鑑み、妊娠の時期に関わらず、接種が推奨されています。

授乳婦については、明確なデータはないものの、仮に母乳中に接種したワクチンの成分が分泌されてもごく微量であり、乳児に与える影響はないと考えられています。そのため、授乳婦がワクチン接種をすることは問題ないとされています。ただし、母体にできた抗体は、母乳を通して乳児に与えたとしても、乳児に対しての予防効果は期待できないとされています。

妊娠中や授乳期にワクチンの接種を希望される場合は、医療機関にて現状を詳しくお話され、医師の指示に従って接種をするようにしましょう。

※1:不活化ワクチンとは、病原性を消失させたり毒素を無毒化したワクチン
※2:トキソイドとは、強い毒素を産生する細菌の毒素だけを取りだして無毒化したワクチン

  • 妊娠と予防接種

妊娠を希望しています。
今まで風疹にかかったか、予防接種を受けたかどうかわかりません。

妊娠していたら、風疹のワクチンは受けられないのでしょうか。また、もし、過去に風疹にかかっていたり、予防接種を受けていたりした場合に、さらに、ワクチンを接種しても大丈夫なのでしょうか。

風疹とは風疹ウイルスによっておこる感染症で、流行は春先から初夏にかけて多くみられます。主な症状としては、発疹、発熱、リンパ節の腫れなどです。

妊娠初期の女性がかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を先天性風疹症候群と呼びます。この先天性風疹症候群を予防するためにも、妊娠を希望する女性は、風疹ウイルスワクチンの予防接種がすすめられます。

しかしながら、妊娠中は風疹の予防接種を受けることはできません。また、予防接種後は2ヶ月間の避妊が必要になります。これは、妊娠中に風疹ワクチンを接種したために胎児に影響がでたという報告はこれまで世界的にもありませんが、その可能性は理論的に否定されていないためです。

過去に風疹にかかっていたか、予防接種を受けていたかがわからない場合には、血液検査で風疹の抗体価を調べることも可能です。抗体価が低い場合、一般にHI抗体価が16以下の場合には予防接種が必要になります。

もし、すでに免疫を持っている方がワクチンを接種しても、風疹に対する免疫をさらに強化する効果が期待でき、特別な副反応がおこるなどの問題はありません。

  • 妊娠と予防接種

妊娠を希望しています。水ぼうそうにかかったことがありません。

予防接種はやはり、必要でしょうか。

水ぼうそう(水痘)の多くは学童時期に感染します。
ただし、成人してからも未感染のケースもあります。女性の場合には妊娠・出産に際して赤ちゃんに影響を及ぼす危険性があります。

妊娠6ヶ月までに水痘にかかった場合、赤ちゃんの皮膚、手足、脳に障害を伴う先天性水痘症候群をきたす可能性があるとされています(頻度は2%以下)。
また、妊娠の全ての期間において、流産、早産につながる可能性もあります。

そして妊婦が分娩前5日~出産後48時間以内に水痘にかかった場合、新生児に水痘が発生する確率は17%程度、死亡率は30%とされています。

以上のような医学的背景をふまえますと、お子様をご希望されるのであれば、あらかじめ予防接種を受けておくことが望ましいです。
ただし、妊娠中は接種できませんので注意してください。

  • 妊娠関連

子供が欲しいのですが、子宮筋腫があります。

妊娠できるか心配です。

子宮筋腫は、子宮の平滑筋という筋肉にできた良性腫瘍のことで、婦人科の病気の中でも最も一般的な病気の一つです。原因ははっきりしていませんが、エストロゲンという女性ホルモンの影響を受けて発生・増殖し、閉経とともに縮小していきます。子宮筋腫があるだけでは治療の対象とはなりませんが、筋腫が大きい場合、痛みを伴う場合、貧血を合併している場合、不妊の原因と考えられる場合には治療が必要となります。

妊娠可能かどうかは、子宮筋腫の大きさ、数、部位などにより異なり、例えば、筋腫によって卵管が圧迫されたり、着床障害をおこしてしまうようであれば、妊娠に向けて治療が必要となることもあります。

ただし、妊娠に全く影響しないこともありますし、子宮筋腫がありながらも、出産される方は大勢いらっしゃいます。

妊娠をご希望であれば婦人科の医師にご相談していただくことをおすすめします。

  • 妊娠関連

結婚して子どもを望んでいますが、なかなか恵まれません。

不妊症でしょうか。

医学的に、「正しい夫婦関係を継続するにもかかわらず、2年以上妊娠しない状態」を不妊といいます。

その原因にはいろいろなものがあり、ホルモンの問題による排卵障害や着床障害、受精障害、または男性側の因子など、さまざまなことが考えられます。原因に応じて、ホルモン療法や、人工授精、体外受精・胚移植などを検討する必要があります。

原因不明の場合もありますが、まずは基礎体温を測定した上で、一度産婦人科の医師にご相談されるのがよろしいかと思います。

  • 子宮の問題

子宮内膜症と診断されました。

どういう病気でしょうか。また、どんな治療法がありますか。

子宮内膜症は、本来、子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜のような組織が、子宮以外の場所、例えば腹膜(おなかのなかの小腸、大腸、肝臓などの臓器を包む膜)や卵巣、子宮と直腸との間のダグラス窩(か)などに飛んでしまう病気と考えられています。

子宮以外の場所に存在する子宮内膜も、月経に伴って増殖し、剥がれたり出血したりしますが、血液や内膜を体外に出すことができないため、その場に溜まって炎症や痛みをおこしたり、周囲の臓器と癒着したりします。

ほとんどは骨盤内にできますが、ごくまれに肺や横隔膜など離れた臓器にできることもあります。卵巣に血液が溜まると古い血液はチョコレートのようになるのでチョコレート嚢胞と呼ばれています。

主な症状は痛みと不妊です。痛みは月経痛のほかに月経時以外の下腹部痛や腰痛、性交痛、排便痛などがあります。他に月経に伴って吐き気、頭痛、下痢の症状などもあります。過多月経がみられることもあります。

治療には手術療法と薬物療法があります。

4cm以上の卵巣チョコレート嚢胞がある場合、破裂のリスクなどを考えて、また、妊娠を望んでいる場合、腹腔内の環境を整えるために、手術療法が検討されます。

薬物療法では、消炎鎮痛薬やホルモン剤を用い、症状をコントロールしていきます。

今の症状や進行度、今後妊娠を望むかどうかなどにより治療法が異なってきますので、主治医とよく相談されることをおすすめします。

  • 子宮の問題

6cmのチョコレート嚢胞ができていると診断されました。

今後、どのような治療が考えられますか。

チョコレート嚢胞の治療は手術療法になります。手術法の選択としては、腹腔鏡による方法と開腹による方法がありますが、この病気の場合は腹腔鏡手術が一般的です。しかし、今回、サイズが大きいため、場合によっては開腹手術がすすめられることもあると思います。腹腔鏡手術のほうが、手術創が小さく、術後の回復も早いですが、癒着が強い場合は、腹腔鏡手術をすると臓器を損傷するリスクが増加するため、開腹手術に切り替わることもあります。また、この病気は高年齢になると悪性に変化することが知られており、少しでも悪性の可能性があれば開腹手術を選択することになります。

現時点で悪性を示唆する所見がなく、術後の回復や手術創の大きさを考えるのであれば、腹腔鏡手術を選択することになるでしょうし、年齢や腫瘍の大きさを考えて、悪性の可能性も考慮に入れるなら開腹手術を選択することになると思います。その辺りをふまえて主治医と相談されるとよろしいのでは、と考えます。

  • 子宮の問題

子宮頸がん検診の結果で、中等度異形成といわれました。

この検診結果はどういう意味ですか。医師から、3ヶ月毎の検診、または、手術治療を提案されましたが、どちらに決めればよいのでしょうか。

子宮がんには子宮の奥にできる子宮体がんと、子宮の入り口付近にできる子宮頸がんがあります。 子宮頸がんは初期では、ほとんど症状がありませんが、がん検診の子宮頸部細胞診(子宮の入り口の細胞をへらやブラシで擦りとって顕微鏡で見る検査)で早期に発見することが可能です。 がんに進行する可能性がある異常な細胞が増殖することを「異形成」と呼びます。異形成の程度が軽度の場合には治ることが多く、高度の異形成では、がんに進行する可能性が高くなります。

子宮頸がん治療ガイドライン上は、中等度異形成の場合は3ヶ月ごとに検診でフォローしていく方法と、円錐切除という子宮頸部を円錐状に切り取る手術をおこなっていく方法と両方を提示することになっています。

たとえば、中等度異形成の患者さんがみな子宮頸がんになるわけではありませんし、すぐに病気が進むわけでもありません。 ただし、中等度異形成の状態がずっと続いたり進行したりするようであれば、その時点で円錐切除は考慮しないといけません。 今後の治療法については、主治医の方針や患者さんの意思を総合的に考えて選択していくことになります。ご自身のライフスタイルを踏まえて、再度、主治医にご相談ください。

  • がん

子宮頸がんの検診で高度異形成といわれ、円錐切除術を受けました。

組織の検査の結果、子宮頸がんⅠB1期と診断され、2ヶ月以内に広汎子宮全摘出術が必要と説明を受けました。治療法は手術しかないのでしょうか。

今回子宮頸がんⅠB1期との診断だったということですが、これは、「がんが子宮頸部のみにとどまっているもので、大きさが4cm以内のもの」という結果を意味します。

子宮頸がんの治療には、手術や抗がん剤による化学療法、放射線療法があります。 子宮頸がんⅠB1期の治療は、日本では広汎子宮全摘出術をおこなうことが主流です。海外では、放射線治療をおこなうケースもあるようです。

広汎子宮全摘出術とは、子宮と腟の一部を含め、骨盤壁の近くから広い範囲で切除する手術です。子宮頸がんに関わるリンパ節も切除し、がんが転移している可能性がある部分を取り除きます。 また、放射線の治療とは、高エネルギーのX線やガンマ線でがん細胞を傷つけ、がんを小さくする治療です。

治療については、その方の年齢やがんの進行の程度、ほかに病気を持っていないか、妊娠を希望するかなど、患者さんのそれぞれの状況を考慮して決めます。 もし、手術をしたほうがよいかを迷った場合にはセカンドオピニオンを受ける方法もあります。

まずは主治医に治療の選択についてもう一度ご相談され、納得をした上で治療を受けられることをおすすめいたします。

  • 子宮の問題

腟のあたりから飛びでているものがあり、子宮脱といわれました。

子宮から1cmほどでていることがあります。尿漏れなどのトラブルなどはありませんが、どのような治療方法があるのでしょうか。

子宮は骨盤内のほぼ中央にあり、膀胱、子宮、直腸などの臓器とともに、「筋膜」や「靭帯」によって支えられています。これらの筋膜や靭帯が出産によってダメージを受けたり、加齢により組織が弱くなって伸びやすくなったり、長時間の立ち仕事や下腹部に力の入る仕事などが原因で、骨盤内臓器が下がる骨盤臓器脱という状態がおこりやすくなります。そのうち、子宮が下がるものを子宮脱と呼びます。

症状としては、腟内の圧迫感や脱出感、尿失禁、尿閉、排便困難、出血などがあり、脱出した部分が歩行の障害になることもあります。

治療法は、大きく分けて保存療法と手術の2通りです。

1. 保存療法
  1. (1)骨盤底筋を鍛える体操
  2. (2)腟内装具(ペッサリーなど)で子宮を上にあげて固定する方法
2. 手術療法
  1. (1)従来の手術療法-子宮を腟から摘出し、ゆるんだ腟壁をある程度切除して縫い縮める手術
  2. (2)TVM手術-メッシュで弱くなった支持組織を置き換える手術

などがあります。

症状がそこまでないのであれば、外科的な手術をあまり積極的に選択することはありません。その場合は、ペッサリーを用いて固定する方法が一般的ですが、何もせずに様子をみることもあります。

脱出の程度や自覚症状により、治療法が異なってきますので、医師とよくご相談いただくとよいでしょう。

  • 感染症

お酒を飲んだ勢いで知らない人と性行為をしました。HIVの感染が心配です。

感染するとどのような症状がでますか。検査はどこで、どのくらいのタイミングで受けるとよいのでしょうか。

HIVのウイルスは、主に血液、男性の精液、女性の腟分泌液に多く含まれています。そして性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通って感染します。はっきりとした自覚症状が出ない場合もありますが、感染してから2~4週間ほど経った頃に、風邪のような発熱やのどの痛みが生じることもあります。 ただし、自覚症状だけで感染の有無を確かめることはできません。血液検査を受ける必要があります。

検査は、全国の保健所、医療機関でおこなっています。 感染の有無をはっきりとさせるためには、感染の可能性のある機会から、3ヶ月の期間をあける必要があります。 もし感染していた場合でも、現在では免疫を高める有効な治療方法が複数開発されています。早期の治療によって、感染前と同じ生活を送ることも可能となります。

まずはお近くの保健所または医療機関にお問い合わせいただくことをおすすめします。

  • 性感染症

オーラルセックスで感染する性病はありますか。

オーラルセックス(口腔性交)とは、口唇や舌を使って相手の性器を刺激する行為をさします。オーラルセックスで感染する主な性感染症としては、淋菌感染症、クラミジア感染症、ヘルペス感染症、梅毒などが知られています。

感染の形態としては、口腔内に感染をおこす場合と、口腔内にいる病原体が性器に感染をおこす場合があります。どのような症状がでるかは、感染症の種類によって異なってきますが、口腔内に潰瘍や水泡などの症状がでるものもあれば、膿の混じった尿や排尿時痛などの症状として現れるものもあります。

いずれにせよ、気がかりな症状があれば、受診が必要です。男性では泌尿器科、女性では産婦人科が診療科となり、口腔内の症状に関しては耳鼻咽喉科で治療をおこなう場合もあります。
検査は、尿、血液、のどの粘膜の検査、女性の場合は子宮や膣の粘膜の検査などがおこなわれます。

予防方法としては、男性用コンドームを陰茎の根元からきちんと装着することや、女性の性器にラップなどを使用することが有効です。また、抜歯後など口腔内に傷のあるときや、口内炎があるときなど、体調のすぐれないときには、オーラルセックスを含めたリスクのある行為を避けることも大事です。

  • 性感染症

梅毒の感染が増えていると聞きました。

症状や予防方法について教えてください。

梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌の感染によっておこる性感染症です。
梅毒感染の報告数は年々増加しており、男女比は7対2と男性の割合が多くなっています。
感染経路としては、オーラルセックスを含む性行為、または感染した妊婦の胎盤を通じて胎児に感染する先天梅毒です。

感染すると、平均3週間の潜伏期を経た後、陰部、肛門、口腔内などの感染した部位にしこりができ、潰瘍となることがあります。また、太ももの付け根のリンパ節が腫れることもありますが、通常痛みは伴いません。これらの症状は数週間経つと一旦おさまります。感染から3ヶ月程すると発熱やだるさなどの全身症状や、バラ疹と呼ばれる小さい湿疹などの梅毒に特有の皮膚症状が現れてきます。治療をしないまま放置すると、その後神経症状や眼の症状が現れることもあります。

梅毒の受診科は、泌尿器科や皮膚科ですが、女性の場合は婦人科でも診察が可能です。もし全身症状を呈している場合には、内科でみることもあります。
治療は感染後早い時期の方が望ましく、抗菌薬を数週間にわたり内服します。

梅毒の予防方法としては、感染者とのオーラルセックスを含む性行為を避けることが基本となります。ほかの性感染症と同様、コンドームによる予防効果は高いですが、完全ではないということも認識しておいてください。

  • 排尿時の痛み

最近、排尿時に痛みがあります。

排尿後に尿が残っている感じもあります。回数もいつもより多くなりました(女性)。

今回の症状からは、まず膀胱炎の可能性が考えられます。膀胱炎の典型的な症状としては、排尿時痛、頻尿、尿のにごりなどがあり、原因となる細菌の大部分が大腸菌といわれています。

もし、病院に行くほどつらくはないということであれば、刺激性食品の摂取を控え水分を多めにとって症状が軽くなるか様子をみるのも一法かと思います。症状がつらい場合は、受診して尿検査をおこなうとすぐに診断がつきます。この病気は抗菌剤や抗生物質がよく効きますので、多くは数日の治療で症状は消失します。

症状がひどくなる、長引くような場合は、同じような症状がでる病気として、性感染症などもありますので、早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。

  • 薄毛

薄毛が気になっています。

全部抜けてしまうのではないかと心配しています(女性)。

髪は一定のサイクルで生まれ変わり、「成長期」→「退行期」→「休止期」を繰り返します。このサイクルには個人差がありますが、通常4年~7年といわれています。薄毛・脱毛症の大部分は、何らかの原因でこのサイクルが短くなり、髪が成長する前に抜け落ちてしまうことです。

男性の場合、多くは前頭部から薄くなるというパターンの脱毛ですが、女性を悩ます脱毛のほとんどが、びまん性脱毛症とよばれていて、一面に広がる全体的な脱毛です。男性型脱毛症と同じく、成長することを休んでしまう休止期毛の割合が多くなり、その結果抜け毛が増えますが、男性型脱毛症と異なり、前頭部のヘアライン(生え際)の後退はなく頭皮全体の毛が抜けますので、脱毛部の境界がはっきりしなかったり、髪の分け目の部分での脱毛が目立つようです。

原因としては、遺伝、偏った食生活、ストレスなど、男性の場合の脱毛と共通する要因が多いですが、女性ではさらに、過剰なダイエットや間違ったヘアケアなども一因として挙げられています。また、出産後みられる一過性の脱毛もあります。それ以外にも、疲労、発汗、たばこなどによっても脱毛が進むことがあります。対処方法は、規則正しい生活習慣とバランスのよい食習慣、正しいヘアケアとなります。

それでもなお薄毛が進む場合には、皮膚科の医師にご相談されることをおすすめします。