便・尿:質問一覧

気になる症状やキーワードのある質問を選択してください。質問を選択しますと下に回答が表示されます。

  • 便の色

便の色が緑色になることがありますが、大丈夫でしょうか(3ヶ月児)。

便にはビリルビンという黄色い色素を含んだ胆汁が混じっています。赤ちゃんの腸は未発達なので、この色素を分解することができず、大人より黄色い便がでるのが一般的です。
また、ビリルビンは時間が経つと酸化して緑色になります。便が長時間腸の中にとどまった場合、便が空気にさらされていた場合、腸内細菌などにより酸性に傾いてしまった場合には、緑色になることがあります。
緑色の便がでても、赤ちゃんの機嫌がよく、便の回数に異常がなくて食欲もあるようなら様子をみてもよいでしょう。

心配な便の色としては、赤、黒、白です。
赤色や黒色の便の場合には、便に血が混じっていることが考えられます。また、白色の便で排便回数も多い場合には、ウィルス性の感染症などにかかっている可能性がありますので、小児科でご相談ください。

  • 血便

排便時、便に赤い血が混ざっていました。

大腸がんでしょうか。

便に赤い血液が混ざっている状態のことを血便(けつべん)といいます。 赤い血の混じる血便は、肛門から比較的近い腸からの出血が考えられます。ちなみに、胃や小腸からの出血の場合は、血液が腸内細菌に分解されるため、黒っぽくなります。

赤い血の混じる血便の原因には、次のようなものがあります。

1.痔

排便後、トイレットペーパーに血がついている場合は、痔の可能性が高いです。 痔には、いぼ状の腫れができる「いぼ痔(痔核)」、肛門の皮膚が切れる「きれ 痔(裂肛)」、肛門に膿のトンネルができる「痔ろう」の3種類があります。 痔のできる位置によって症状は異なりますが、排便時の違和感や痛みを伴うことが多くあります。

2.大腸ポリープ、大腸がん(初期)

ごく少量の血液が便に混じるものの、痛みがなく、便の量や柔らかさなどにも 特に変化は見られないことが多いです。出血に気づかず、検診の便潜血検査で指摘されることもあります。

3.出血性大腸炎

細菌による感染によって生じる大腸の病気です。代表的なものは「腸管出血性 大腸菌O157」です。感染から3~8日の潜伏期をおいて頻繁に水様便がでて、 その後、激しい腹痛、著しい血便がみられます。

このように、血便が見られたからといって、必ずしも大腸がんであるというわけではありません。 しかし、血便がみられたということは、何かの病気があるということです。ためらわずに消化器を専門とする医師の診察を受けてください。なお、検査実施にあたっては、食事の制限等が必要な場合もありますので、事前に医療機関に確認されることをおすすめします。

  • 便秘

慢性的に便秘気味です。

便意をあまり感じません。ガスもたまりやすいようです。対処法を教えてください。

排便が正常に行われるためには、食べ物が小腸で適正な消化吸収を受け、その後、大腸を適正な速度で移動すること、そして肛門がゲートとして正しく機能することが必要です。便秘は、大便が長い間大腸内にとどまり、水分が減少して硬くなり、排便に困難を伴う状態のことをさします。

長年にわたって便秘が続いている場合に、まず考えるのは「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」という状態です。これは排便を我慢する習慣が原因となっていることが多いのですが、思い当たるようなことはございますか。このような場合には、できるだけ決められた時間に排便するよう心がけることが重要です。そして、食事療法としては、大腸内で便中の水分保持に役立つ「繊維分」をなるべく多くとるようにしてください。また、冷たい水を飲むことも、腸の蠕動(ぜんどう)運動を誘発するので便秘にはよいといわれています。それでもなかなかよくならず、便秘による苦痛を伴う場合には、医師の診察を受けることをおすすめします。

また、ガスがたまりやすいという状況からは、過敏性腸症候群という病態が背後にある可能性もあります。これは、精神的ストレス・食品や薬物による刺激が加わった時に、普通の方に比べて腸管が過敏に反応して症状をおこしてくるものと考えられています。具体的な症状としては、腹痛、便通異常(下痢や便秘の一方が続いたり、あるいは交互に生じたりする)、ガス症状(腹部膨満、げっぷ、腹鳴)などがみられます。さらに、発汗や手足の冷感などの自律神経失調症状が伴うこともあり、また不安や緊張感などもしばしばみられるようです。

なお、便秘でもっとも心配なのは、背後に大腸がんなどの悪い病気が潜んでいる場合です。大腸がんが進行して腸が狭くなると、便の性状が変わったり、頻繁に少量ずつ出たり、それ以外にも便に血液が混じったり、腹痛がみられたりすることもあります。今のところ便秘以外に特別の症状はないようですが、心配であれば消化器科へ受診することをおすすめします。

  • 便秘

がんこな便秘で困っています。薬に頼らないで済む食事のポイントを教えてください。

食物繊維は、具体的にどんなよいことがあり、どんなものを食べればよいのですか。

便秘を改善する食事のポイントのキーワードは、「水分」、「食物繊維」、「腸内細菌」です。

まずは「水分」ですが、普段の生活で水分の摂取が足りていないと、便が硬くなって便秘になりやすくなります。食事時以外にあまり水分をとる習慣のない方は、水やお茶などをこまめにとるように心がけましょう。また、特に朝起きた後などに、コップ1杯の水を飲むことによって、腸が刺激され、便意が期待できる場合もあります。

続いて「食物繊維」ですが、食物繊維には水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」の二種類があり、便秘の改善にはどちらも大切です。前者の水溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸着することによって、便を軟らかく保つ働きがあり、海藻類やコンニャク、果実などに多く含まれます。後者の不溶性食物繊維は、便の“かさ”を増やし、腸の動きを活発にする働きがあり、根菜類や豆類、キノコ類などに多く含まれます。ただし、水分や水溶性食物繊維が少ない状況で、不溶性食物繊維ばかりを多くとると、便が硬くなり、逆に便秘になりますので、注意が必要です。
食物繊維の摂取量の目安は、毎回の食事の際に、合計2品程度です(サラダ1人前や、野菜・きのこ・海藻のおひたし、和え物などの小鉢ひとつ分)。食物繊維量が足りていないと思われる方は、その不足分をプラスされることをおすすめします。

そして「腸内細菌」ですが、ビフィズス菌に代表される善玉菌が、悪玉菌を減らし、腸内の環境を整えるのに役立ちます。善玉菌を増やすには、乳酸菌の栄養となるオリゴ糖や、ヨーグルトやチーズなど乳酸菌食品を定期的にとりましょう。また、味噌や漬物などの発酵食品、そして水分を蓄える水溶性食物繊維も乳酸菌を増やすのに役立ちます。

このように、便秘の改善には、水分、食物繊維、腸内細菌のいずれも重要です。日常生活に取り入れやすいものから、取り組んでみてください。

  • 下痢

3週間以上、下痢が続いています。ねばねばした便もでます。

なぜ下痢になるのでしょうか。

大腸では通常ですと約1.5リットルの水分が吸収され、最大で4~5リットルの吸収能力もあるといわれています。下痢では水分の吸収が悪いばかりではなく、腸から水分が分泌されることによっても生じます。そして、下痢が3週間以上続く場合、慢性の下痢と診断されます。原因としては、次のような病態が考えられています。

1.腸で水分や電解質の吸収が悪くなった状態

例えば乳糖の不完全消化によって小腸で水分を十分に吸収できず大便の水分量が増加するものです。

2.腸管からの水分分泌が増加した場合

急性下痢の原因となる細菌の毒素やウイルスなどの関連が考えられています。

3.腸管粘膜が傷つけられた場合

腸の炎症や潰瘍などで、吸収能力が低下するばかりでなく、血液や浸出液がでて下痢になります。

4.腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう)が増えたり減ったりする場合

ストレスなどが原因で腸が過敏になったり(過敏性腸症候群)、糖尿病や膠原病(こうげんびょう)で腸の運動が低下するときにみられます。

下痢が続き、ねばねばした粘液状の便もでるということですので、3の一つである潰瘍性大腸炎が疑われます。大腸内視鏡検査をおこない、直接、腸の中を観察することで診断がつきます。それ以外に頻度が多いのは、4の過敏性腸症候群です。その原因はよくわかっていませんが、おそらくストレスなどが影響して知らず知らずのうちに腸が過敏となり、慢性的な下痢となったり、下痢と便秘を繰り返したりすることがいわれています。

もし、お腹がとても痛い、吐き気や嘔吐がある、高熱がある、便に血液が混じる、米のとぎ汁のような便がでる、などといった場合には、すぐに消化器科医師の診察を受けることをおすすめします。

  • 胃腸の問題

週に1度くらい胃痛が生じています。下痢もあります。

胃痛に加えて、脂っこいものを満腹まで食べたときには必ず下痢をします。休日ゆっくりとしていると胃痛はほとんどおこりません。何が原因なのでしょうか。

今回の症状から、いわゆる過敏性腸症候群という病気の可能性が推測されます。過敏性腸症候群とは、もともと神経質な方や、自律神経系が不安定になりがちな方におきやすく、精神的ストレス・食品や薬物による刺激が加わった時に、普通の方に比べて腸管が過敏に反応して症状をおこしてくるものと考えられています。症状としては、腹痛、便通異常(下痢や便秘の一方が続いたり、あるいは交互に生じたりする)、ガス症状(腹部が張る・鳴る、げっぷ)などがみられます。さらに、発汗や手足が冷たく感じるなどの自律神経失調症状が伴うこともあります。また、不安や緊張感などもしばしばみられるといわれています。このような症状は排便により一時的に軽快します。

以上のような症状がある方が病院にいらしても、血液検査や糞便検査ではこれといった異常は認められません。大腸レントゲン検査や内視鏡検査などの精密検査をおこなっても異常はなく、腸管の機能の異常によっておこる病態と考えられています。

一般的には、ストレスによって症状が出現・悪化するとされていますので、まずは、ストレスを軽くすることが大事です。それとともに、睡眠時間が不規則ですと自律神経系への影響が心配されますので、早寝早起きをこころがけ、十分な休息をとることがすすめられます。また、空の胃に食べ物が入ってくると、その刺激で大腸に蠕動運動がおこり、便がでやすくなります。そのため、朝は便意がなくてもなるべくトイレに行かれた方がよいと思います。三度の食事をきちんととり、下痢がつづく場合には、アルコールや香辛料、乳製品は避けた方がよいかと思います。運動も重要ですので、たとえば、なるべく歩くことをおすすめします。

まずは、おからだに異常がないか内科や消化器内科でお調べになって、異常が認められない場合には、心療内科への受診をおすすめします。

  • 尿の色

子どものオムツを見たら、オレンジ色の尿がでていました(5ヶ月児)。

血尿でしょうか。

暑くて汗が増えた場合など、体の中の水分量が減ってしまうと尿が濃くなります。尿の中には尿酸塩という成分が含まれており、尿が濃くなるとオレンジ色の尿酸塩の結晶がオムツにつくことがあります。

まずは水分摂取量を増やして様子をみてみましょう。もし、尿の回数が減る、尿の色が濃い赤色に近づく、熱がでるなどの症状がみられたら、脱水をおこしていたり膀胱炎や尿道炎をおこしていたりする可能性があるので、小児科でご相談ください。
また、内服している薬によっては尿に色がつくことがあるので、何か薬を飲んでいる場合は主治医にご相談ください。

  • 尿の問題

トイレで尿をだしたときに、たくさん泡が立ちます。

何かの病気でしょうか。

尿が濃くなっているときには、尿中の泡立ちが目立つようになります。例えば、汗をたくさんかいているとき、または、冬場の乾燥しているときなど、からだの中の水分が不足している場合です。また、激しい運動の直後、高熱をだしたときなども、尿中に蛋白がたくさんでるために尿が濃くなり、泡立ちます。これらは一時的なもので、水分を十分に摂ることで泡立ちが少なくなります。

病気が背景にあるために尿が濃くなる場合は、例えば、腎臓の病気が原因で尿に蛋白がたくさんでる場合、糖尿病で尿に糖がでる場合などです。

十分な水分補給をしても尿の泡立ちが続く場合や、他に気になる症状がある場合には、一度泌尿器科あるいは内科でご相談されることをおすすめします。

  • 尿の検査

健康診断で尿に蛋白がでました。

今まで、このようなことはなかったので、心配です。心当たりといえば、最近忙しく疲れていたくらいです。

尿の蛋白の検査は、通常は試験紙法といって、尿をリトマス紙のような紙につけて、どのような色に変色するかをみるものです。

尿中に蛋白が検出されても、すべてが病的な状態とは限りません。例えば、激しい運動後(運動性蛋白尿)、発熱したとき(熱性蛋白尿)、寒冷にさらされたとき、入浴時、精神的に興奮したときなどにも一過性にみられることがあります。

精密検査が必要な蛋白尿としては、ネフローゼ症候群、腎炎、腎硬化症、心不全などの病気が隠れている場合です。また、結石、炎症、腫瘍などでも蛋白尿がみられることがあります。

今回の場合は、健康診断の時期に疲れていたということですし、これまでの健康診断で尿に異常がなかったのであれば、一過性の蛋白尿である可能性が考えられます。その場合には、疲れていないときに尿検査をもう一度おこなうことをおすすめします。再検査で、再び蛋白尿が検出されるようでしたら、念のため精密検査をお受けになった方がよいでしょう。

  • 尿の検査

健康診断で血尿を指摘されました。

排尿時に特に痛みなどもありません。何が原因か心配です。

血尿がおきる原因としては、腎臓から尿道に至るまでのどこかに、炎症や腫瘍、あるいは結石などがあって出血していることが多いです。ときに、白血病や血小板減少性紫斑病などのような、全身性の出血傾向がある場合にも血尿がみられることがあります。

細菌感染がきっかけでおきる血尿は、膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)などであり、腎臓や尿管、膀胱の粘膜で炎症がおこり、腫れた粘膜からじわっと出血してくるものです。膀胱炎では排尿時の痛みや排尿後の残った感じ、尿回数が増えることがあります。また、腎盂腎炎では発熱をきたすことが多いです。

他に、血尿に対してどんなに詳しい検査をしても、何も病気が見つからないいわゆる「特発性腎出血」というものがあります。その場合は、定期的な検査で経過を見ていくことが大切です。

まずは、泌尿器科を受診し、詳しい検査を受けられることをおすすめします。

  • 排尿時の痛み

最近、排尿時に痛みがあります。

排尿後に尿が残っている感じもあります。回数もいつもより多くなりました(女性)。

今回の症状からは、まず膀胱炎の可能性が考えられます。膀胱炎の典型的な症状としては、排尿時痛、頻尿、尿のにごりなどがあり、原因となる細菌の大部分が大腸菌といわれています。

もし、病院に行くほどつらくはないということであれば、刺激性食品の摂取を控え水分を多めにとって症状が軽くなるか様子をみるのも一法かと思います。症状がつらい場合は、受診して尿検査をおこなうとすぐに診断がつきます。この病気は抗菌剤や抗生物質がよく効きますので、多くは数日の治療で症状は消失します。

症状がひどくなる、長引くような場合は、同じような症状がでる病気として、性感染症などもありますので、早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。

  • 頻尿

最近トイレ(尿)が近くなって困っています。

水分を多く取っているとは思えないのですが、回数が多いためいつもトイレを探しています。

まず、トイレの回数が増える原因としては、膀胱の粘膜刺激によるものや、膀胱や尿道をとりまく筋肉の働きによるものがあります。

膀胱の粘膜刺激の原因は、膀胱炎、結石、男性でしたら前立腺炎などがありますが、その場合には、排尿時の痛みや、残尿感、下腹部の痛み、血尿などがともなうことが多いです。

膀胱や尿道をとりまく筋肉の働きが関係しているものには、神経因性膀胱(脳や膀胱に関係する神経の障害)や、緊張することなど精神的なもの、また、女性の場合であれば、加齢や出産によって骨盤底筋の衰えなどがあります。

また、全身的な病気である、糖尿病の場合は、のどが渇き、水分をたくさんとることで頻尿となることもあります。

原因にあわせて、薬による治療や処置がおこなわれます。昼間にトイレに8回以上いかれるようであれば、回数が多いように思われますので、まずは泌尿器科への受診がすすめられます。

  • 頻尿

夜間におしっこが近くて、何度も目が覚めてしまいます(男性)。

夜間に排尿のために起きてしまうことを夜間頻尿といい、40歳以上の男女で、約4500万人が夜間1回以上排尿のために起きてしまうといわれています。また、頻度は加齢とともに高くなる傾向にあります。

夜間頻尿の原因としては、夜間の尿量が多いこと、膀胱容量の減少、睡眠障害の3タイプに大きく分かれます。なかでも男性の場合、膀胱から尿道への尿の通過が妨げられる通過障害として、前立腺肥大症が原因となっている場合が多くあります。

前立腺は膀胱の出口で尿道を取り囲む位置にあり、前立腺が肥大すると尿道を圧迫して、尿の通過障害をきたします。また、前立腺肥大症による排尿障害のために膀胱が過敏になり、膀胱に尿が少量しかたまっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまう過活動膀胱といった状態を呈することもあります。

前立腺肥大症は加齢とともに罹患率が増加し、70歳では70%以上の男性にあるとの報告もあります。夜間頻尿以外にも、排尿後もおしっこがたまっているように感じる残尿感や、おしっこの「きれ」が悪くなるといった症状もみられます。

就寝前の過剰な水分摂取が、夜間頻尿を引きおこしている場合もあります。水分の適切な摂取方法でも症状が改善しないときは、泌尿器科の受診をおすすめします。
また、糖尿病や心臓病、腎臓病でも夜間頻尿となることがあるため、総合的な健康チェックもしていただくとよいでしょう。

  • 排尿の問題

尿意があってトイレに行くのに、尿がでないことがよくあります。

年のせいだと思うのですが、様子をみていてもいいものなのでしょうか(60代)。

ひとことで「尿がでない」といっても人によって症状はさまざまです。

  1. 1.排尿しようと力んでも尿がなかなかでてこない
  2. 2.出てきてもチョロチョロと勢いが弱い
  3. 3.かなり強く腹圧をかけなければならない
  4. 4.排尿時間が長引く
  5. 5.終わってもまだ残っている感じがする
  6. 6.力むとまた少しでてくる

上記の症状の主な原因として、尿を膀胱から体の外に排出する管に何らかの障害があることが考えられます。たとえば膀胱結石、膀胱のポリープ、男性であれば前立腺肥大や前立腺炎などの病気があります。それ以外に、脳梗塞などの病気によって排尿が難しくなる場合もあります。トイレのことを気にしすぎて、かえって尿がでにくくなるという心因性のことが原因となっている方もいます。また、薬の副作用によって尿がでにくくなる場合など、さまざまな原因があります。

加齢によるものとして、様子をみられる方もいらっしゃいますが、病気が背景にある場合もありますので、症状が頻繁となり苦痛を伴うようでしたら、一度泌尿器科の医師の診察を受けることをおすすめします。

  • 排尿の問題

排尿に時間がかかるようになり、気になっています。

尿が出始めるまでに時間がかかり、尿の線が細くなり、途中で途絶えたりするような状況です。しっかり出きらないような感じです(50代男性)。

今回の症状で、加齢とともに増える原因として最も多いのが、前立腺肥大症に伴う排尿障害です。前立腺は尿道を包みこむように存在し、年齢が進むにしたがって大きくなる傾向があるため、尿道が圧迫されて尿道の抵抗が高まります。主な症状として夜間の頻尿、排尿時の不快感、残尿感があり、それとともに、排尿開始までに時間がかかる、排尿の時間が長くなる、尿線が細くなり途中で途絶える、などといった症状もみられます。

前立腺に肥大があるか、他の病気かどうかは、まず、問診をおこない、血液検査や尿検査、触診や超音波検査などをすることでわかります。前立腺肥大の治療は、症状が軽い場合は内服薬で症状をコントロールします。薬で十分な効果が得られない場合は、症状や状況にあわせて手術療法などが検討されます。

前立腺以外の病気で排尿障害を来すものとしては、脊髄の病気(椎間板ヘルニアや腫瘍など)や糖尿病などがあります。

原因により治療方法も異なりますので、一度泌尿器科の医師にご相談されることをおすすめします。

  • 尿路の問題

健康診断で、尿路結石があるといわれました。

治療が必要でしょうか。また、どんなことに気を付けたらいいですか。

尿路とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿が排泄される一連の道筋をさします。尿路結石症は、その尿路に結石(石状の塊)が生じる病気の総称です。泌尿器科の外来では最も頻度の高い病気のひとつで、年間罹患率も年々上昇しており、特に壮年男性と閉経後の女性に多くにみられます。

腎臓に結石がとどまるうちは無症状のことも多いのですが、尿の流れに沿って尿管内に落下すると、腰や背中、わき腹などに激しい痛みが生じ、血尿、発熱、吐き気などの症状を伴うことがあります。

治療は泌尿器科でおこなわれ、結石が小さい場合は、溶解薬と鎮痛薬で経過をみながら自然に結石が排出されるのを待ちます。ある程度以上の大きさのものは、内視鏡を用いた砕石術(さいせきじゅつ)、体外衝撃波を用いた結石破砕術などがおこなわれます。

日常生活で気を付けることは、水分の摂取量を増やす、食塩や動物性たんぱく質を過剰に摂取しない、寝る前の食事は避ける、バランスのよい食事を心がけるなどです。
また、シュウ酸を多く含むナッツ、チョコ、ほうれん草は過剰に摂取しない方がよいといわれています。

結石の成分や結石ができている位置によっても、食事の注意点は異なります。具体的な対策については、医師や栄養士にご相談ください。

  • お尻の問題

いぼ痔があります。

痔は治りますか。どんな治療がありますか。

「痔」といっても、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)と、大きく3つの種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。

いぼ痔とのことですが、このいぼ痔は日本人の痔の中でもっとも多いタイプです。大腸の内視鏡検査をおこなうと、多くの方にみられます。排便時のいきみや血行不良などにより、肛門をとりまく血管の一部が腫れてこぶ状になったもので、例えば、便秘や下痢、座りっぱなしなど、また、女性の場合は妊娠、出産がきっかけで発症する場合もあります。

肛門の内側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核と呼びます。痔核には段階があり、症状によってI度からIV度までの4段階に分類されています。

  1. I度:痔核の腫れのみで、肛門からでていないもの。排便時に軽度の出血がみられるが、痛みはほとんどない
  2. II度:排便時に肛門からでるが、その後自然に戻るもの。出血や痛みがみられる場合もある
  3. III度:排便時やお腹に力が入った時などに肛門からでたままになり、手で戻す必要があるもの
  4. IV度:常にでたままのもの

治療としては、I度~II度のものは塗り薬、座薬、内服薬によって、多くの場合は症状がよくなります。内痔核のIII~IV度、外痔核で激しく痛むものは手術による治療が検討されることが多いです。最近では、病状によっては日帰り手術も可能になってきました。また、近年、これら以外の痔核の治療方法として、注射による痔核硬化療法もあります。痔核に直接薬液(ジオン注)を注射して、硬めてしぼませるというものです。切らずに済みますが、どんな痔核にもおこなえるわけではなく、再発率も手術より高いといわれています。

治療に共通する点としては、食事や排便習慣などの生活習慣を見直すことも、とても大切なこととしてあげられます。

ひと言に痔核といっても、病状(大きさ、範囲、症状など)により最適な治療方法は大きく異なります。消化器外科や肛門科の医師によくご相談されることをおすすめします。

  • お尻の問題

内痔核(いぼ痔)が肛門から時々でてきます。

これ以上悪化させないようにするためには、日常生活でどのような注意をすればよいですか。

内痔核で時々脱肛している、ということですとⅡ~Ⅲ度の痔核ではないかと推測されます。内痔核の多くはゆっくり進行するといわれていますので、今以上に悪化させないために適切な治療を肛門の専門医のもとでおこない、日常生活でもセルフケアに心がけてください。セルフケアのポイントを以下にまとめました。

1. 便通への対策
(1) バランスのよい食生活

しっかり朝食を摂ることで腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)がおき、スムーズな便通につながります。食物繊維は便のかさを増やしますので、メニューの中に積極的に取り入れましょう。

(2) 水分は積極的に摂る

水分不足は便を硬くし便秘につながります

(3) 刺激物やアルコールは控えめに

アルコールは下痢をおこしやすくし、香辛料は肛門の粘膜を刺激します。

2. そのほかの注意点
(1) 排便習慣の改善

便意を感じたらトイレに行く習慣をつけましょう。トイレに長居し強くいきみ続けると肛門に負担がかかりますので、3分間を目安に切り上げましょう。

(2) 同じ姿勢をとり続けない

立ちっぱなし、座りっぱなしはお尻に負担をかけますので、仕事中でも時々体を動かしましょう。

(3) ゆっくり入浴する

お尻の血行をよくするために、シャワーだけでなく、ぬるめの温度の湯船につかり体を温めましょう。

※ 筋肉の収縮により内容物を一定方向に移動させる運動

  • お尻の問題

肛門周囲膿瘍(のうよう)と診断されました。

自然に治るなら様子を見たいのですが、治療が必要でしょうか。

肛門の入り口から2~3cm入り込んだところに皮膚と直腸粘膜の境目の部分があります。そこに小さなくぼみがあるため、便の中の大腸菌などの菌が入り細菌感染をおこすと、化膿して膿が溜まります。これを肛門周囲膿瘍といいます。溜まった膿が破れて外にでると流れでた膿の通り道がトンネルのように貫通して残ります。この状態を痔ろうといいます。トンネルは残りますので、感染を繰り返すようになってしまいます。

膿がたまると、まずズキズキした強い痛みがおこり、椅子に座れないほどの痛みになることも多いです。破れて膿が外にでるまで痛みは続き、膿が大量にたまると熱がでることもあります。たまった膿がでないと熱が下がることはありませんので、肛門科の診察を受けていただく必要があります。

治療は、膿が破れていなければ切開をして膿を取り出します。抗生物質や痛み止めを使用しながら様子を見て、痔ろうが作られているようであれば手術をしない限り治りません。膿の通り道を取り除く手術をおこないます。

痛みを我慢して膿が広がってしまうと、治るまでにより時間がかかる可能性があります。早めに肛門科で治療を始めていただくことが大切です。