放射線:質問一覧

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  • 画像の検査

歯科医院で撮ったレントゲンについて教えてください。

パノラマレントゲンを撮った後に、もう1枚別に歯の写真を撮りました。パノラマレントゲンですべて分からないのでしょうか?なぜ別の写真を撮る必要があるのでしょうか。

2回もレントゲンを撮られ、疑問に思われたのですね。
まず、歯科で撮影するレントゲンについて説明します。
歯科で撮影するレントゲン写真は、おもに「パノラマレントゲン」と「デンタルレントゲン」の2種類があります。

「パノラマレントゲン」とは、口の中全体を1枚のレントゲン写真として撮影する方法です。
パノラマレントゲン写真では、ぐるりと撮影されるので、あご全体、つまり上あごと下あごの骨、全ての歯の状態を平面にうつしだすことができます。
歯の位置や歯が生えている方向、歯の形態、歯根の周囲の骨などを観察できます。ただし、パノラマレントゲン写真は、細かいところを詳細に観察するには不十分です。

そのため、歯の状態を正確につかむ場合は、「デンタルレントゲン」撮影を追加することになります。
デンタルレントゲンの写真は、撮影できる歯の本数は1~4本程度です。しかし画像が鮮明であり、細かいところの観察が可能です。個々の歯の状態や歯の周囲の骨の状態を観察でき、骨の異常や、初期の歯周炎、初期のむし歯を写し出すことができます。

このように、患者さんの口の中全体の様子をパノラマレントゲン写真で確認し、患部を詳細に観察するためにデンタルレントゲンを追加して撮影する方法は、歯科治療ではよくおこなわれています。疑問に思うこと、ご不明な点がある場合は、主治医に確認してみてください。

  • 消化器の検査

胃のバリウム検査と内視鏡検査では、どちらがよいのでしょうか。

胃のバリウム検査を毎年おこなっていますが、内視鏡の方がよく分かると聞いたことがあるので、どちらを選べば良いのか悩んでいます。

健康診断で食道・胃・十二指腸を検査する方法として、胃のバリウム検査と内視鏡検査があります。 集団検診では、多くの場合胃のバリウム検査をおこない、異常がある場合には内視鏡検査をおこなうことが多いようです。

胃のバリウム検査は、バリウムを飲んでレントゲンを撮影するだけなので、体への負担が少なく、検査時間も短いので、多くの方を対象に検査をおこなうことが可能です。また、実際にバリウムを飲み込む際の状態を確認することができるので、食道の通過障害を引きおこすような病気を見つけることができ、また胃の全体の状態(動きや膨らみ方など)を確認することもできます。 しかしながら、実際に消化管の粘膜におきている微細な変化を指摘できない場合があることや、生検(組織を一部採取して調べる方法)による確定診断をおこなうことはできないというデメリットがあります。

一方、内視鏡検査は粘膜におきている炎症や潰瘍、腫瘍などの変化を見つけることができ、実際に心配な部分があれば生検をおこなって確定診断をつけることができます。 基本的には安全に受けていただける検査ですが、バリウムの検査に比べると体に負担がかかり、検査に伴って消化管に傷がついたり、穴が開いてしまうなどの合併症をおこす可能性もあります。

確かに確定診断をつけることができるという意味では、内視鏡の方が有用かもしれませんが、お体への負担などのデメリットもありますし、バリウム検査だからこそ発見できる病気もあります。 1年毎にバリウム検査と内視鏡を交互におこなう方などもいらっしゃいますので、どの検査を選ぶのかはかかりつけの医師とよくご相談していただくとよいでしょう。

  • 乳房の検査

マンモグラフィとエコー(超音波)検査は、どちらを受ければいいのでしょうか。

健康診断の案内でどちらかを選べるようになっているのですが、違いがわかりません(40代女性)。

エコー検査はマンモグラフィに比べてしこりの形までよくわかるので、小さなしこりの検出などを含め優れていますが、一般に石灰化の検出は苦手です。一方、マンモグラフィは石灰化の検出に優れているので、その形や分布がエコーと違ってよく分かり、異常を発見することができるという特徴があります。

20~30歳代ではエコー検査が有効といわれています。この年代は乳腺が密のために、マンモグラフィ検査では背景が白く写りしこりが見つけにくいためです。 加齢とともに乳腺が退化して脂肪に置き換わると、背景が黒く写るようになって異常がわかりやすくなってくるため、一般に40歳以降はマンモグラフィ検査でも、しこりの存在は見やすくなります。 しかしながら、なかには40歳代であってもまだまだ背景が白く写り、触診でしこりが触れても画像に写らないこともあります。

以上の理由で、40歳代については、マンモグラフィとエコー検査の併用、あるいは隔年での実施が望ましいと考えられています。

  • 検査所見

乳がん検診でマンモグラフィを受け、石灰化があるといわれました。

石灰化とはいったどのようなことなのでしょうか。がん化するのではないかと心配です。

今回いわれている「石灰化」とは、乳腺内にできるカルシウムの集まりを示しています。この所見は悪性であっても良性であってもみられますが、分布や形によって悪性を疑うかどうかの判断をします。 石灰化イコールがんではないということです。 もしも、がんを疑う所見であれば医師は精密検査をすすめてくるでしょう。 良性なのか悪性なのか、はっきりしない所見であれば、その程度によって精密検査あるいは経過観察という判定になります。

検診結果の判定を確認いただき、指示通りに検査を受けていただくことをおすすめします。

  • 画像の検査

健康診断や歯の治療のために、続けてレントゲン検査を受けました。

被ばくが心配です。

放射線は目に見えないものですから、おからだへの影響について不安を感じられる方は多くいらっしゃいます。レントゲン検査での放射線の被ばくについてですが、結論からいいますと、この程度の検査の放射線で将来、がんなどのからだへの影響がおこることはない、といっていいでしょう。放射線で発がんなどの心配がある線量としては、胸部レントゲン検査の場合でしたら、その1万倍以上のレベルの線量になります。

レントゲン検査を受けることで、からだにとって大切な多くの情報が得られます。放射線によって何か不都合なことがおこるかもしれないという心配事よりも、診断や治療に有用な情報が得られるという利点の方がはるかに大きいといえます。

ただし、妊婦(胎児)には特別の配慮は必要です。乳幼児、小児期は将来の人生暦が長いので、当然、不必要な被ばくは避けるようにしなくてはなりません。

いずれにしても、病気の変化をみる目的などで毎月のように胸部レントゲン検査を受けても、心配はないといっていいでしょう。大切なことは、レントゲン検査の前に検査の必要性について、そして、検査後は検査のやりっぱなしということのないように、その結果についてよく担当医から説明してもらうことが大切です。

  • 妊娠と放射線

妊娠4~5週頃に市の健診で胸部X線撮影と胃の透視検査を受けました。

現在、妊娠7週です。放射線被ばくにより、将来生まれてくる子どもに白血病やがんなどが発症しないか心配です。

まず、放射線による胎児への影響ですが、胸部X線撮影では放射線が骨盤の方には照射されませんので、胎児被ばくはほとんどないと考えていいでしょう。

胃のバリウム検査ですが、その場合でも、骨盤内を直接透視するわけではないので、胎児に被ばくすることはほとんどありません。 胃のバリウム検査で腹部に受ける線量と比べると、子宮のある骨盤内にはその100分の1以下程度の影響しかないと考えられます。 胎児に対する被ばくが問題になる線量と比べれば、これははるかに少なく、胎児に及ぼす影響はないと思われます。

  • 画像の検査

CT検査とは、どんな検査でしょうか。

CT(コンピューター断層撮影)検査は、放射線を利用して画像を取得する検査方法です。円筒状の装置の中に検査台がスライドし、放射線をだす装置が、からだの周囲をぐるぐる回転しながら撮影して得た情報を画像にします。

放射線は物質を通過しますが、通過しやすさは物質を構成しているものによって異なります。CT検査で得られる画像は、その通過のしやすさが色の違いとして現れます。例えば放射線が通過しやすい空気を含む肺は黒く、通過しにくい骨は白くうつります。

CTの検査時間は撮影部位によって異なりますが、多くは2~3分程度で、造影剤を使用する場合もあります。造影剤は血管の中を流れていきますので、血流が豊富な組織をくっきりと映し出したり、血管の3D画像を作ることもできます。

検査の短所としては、放射線の被ばくの問題があります。CT検査で受ける放射線の線量は、胸部のレントゲン撮影よりも多く、胃や大腸のバリウム検査と同じくらいといわれています。この線量は発がんなどの人体への影響がある線量に比べるとごくごく少ない量なので、放射線によって何か不都合なことがおこるかもしれないという心配事よりも、診断や治療に有用な情報が得られるという利点の方がはるかに大きいといえます。

検査に対して心配なことがある場合には、事前にしっかりと主治医に確認しておきましょう。

  • 心臓の検査

心臓CT検査を受けるよう、医師から言われました。

心臓CT検査とは、どのような検査なのでしょうか。

心臓の表面には、心臓が動くために必要な血液を供給する冠動脈(かんどうみゃく)という血管が走っています。

今まで、この冠動脈の状態は心臓カテーテル検査でしか分かりませんでした。近年、画像診断技術の向上により、心臓カテーテル検査に比べてからだへの負担が少ない、心臓CTという検査で評価できるようになりました。

心臓CTは、造影剤を静脈注射しながら撮影していきます。円筒状の装置の中に検査台がスライドして撮影するという方法は、通常のCTと同様です。違いとしては、心電図をとったり、検査前に脈拍をゆっくりにする薬を使用したりすることがあります。
撮影した体内の画像は、コンピューターを使って立体的にみることができるため、冠動脈に細くなっている部分がないか、石灰化している部分がないか、血流は保たれているかなどを確認することができます。
また、心臓の構造、機能、血流などを評価したり、心臓バイパス手術後の経過を確認したりすることも可能です。

カテーテル検査に比べて簡単におこなうことができる一方で、冠動脈の石灰化が強い場合には、診断の精度が悪くなってしまうこともあります。
また、造影剤を使用する検査のため、造影剤アレルギーがある方や腎機能が悪い方は検査ができない場合があります。

心臓CT検査が可能かどうかは主治医にご相談ください。

※冠動脈の石灰化
血管壁にカルシウムなどが沈着し、弾力性や柔軟性を失い硬くなった状態のこと。

  • 画像の検査

CTの検査で造影剤を使用して調べましょうといわれました。

造影剤の検査で何がわかるのでしょうか。また、造影剤の副作用にはどんなものがあるのでしょうか。

腫瘍が良性か悪性であるか、また、その広がりの状態をみる場合、血管の様子をみる場合、単純CT(造影剤を使用しないCT検査)でくっきりうつらない場合などは、造影剤を用いることで、検出度をあげることができ、より正確な診断に役立ちます。CT検査で使用される造影剤は、「ヨード造影剤」と呼ばれるもので、通常、腕の静脈の血管から注入し、CTスキャンをおこないます。

造影剤を注射している最中にからだが熱く感じられることがあります。このほかに副作用として、かゆみ、発赤・発疹、吐き気、嘔吐、めまい、しびれ、などの症状がみられることがあります。これらの症状は、検査中~検査後1時間の間におこることがもっとも多いので、気になる症状が現れたらご相談ください。喘息の既往がある方や、アレルギー体質の方には、これらの副作用がでやすいので、事前に医師にお話しておくとよいかと思います。

注射された造影剤のほとんどは、腎臓をとおって尿中に排泄されるので、検査後は水分を通常より多めにとるようにするとよいでしょう。腎機能が低下している方は、造影剤の排泄が滞ることがあるため注意が必要です。

なお、MRIの検査でも造影剤を使用して検査をおこなうことがあります。MRI検査では「ガドリニウム造影剤」が使用されます。副作用や注意点は、CTの造影剤の検査とほぼ同様になります。

検査を受けるにあたり、不安な点や不明な点がある場合は、主治医によく確認しておくことをおすすめします。

  • 画像の検査

MRI検査をすすめられました。

どんな検査でしょうか。

MRI(磁気共鳴画像)検査は、磁気を利用して画像を取得する検査方法です。高い磁場状態になっている円筒状の装置の中に検査台がスライドし、周囲からラジオ波(ラジオと同じ電波)をあてて、からだの中の組織から得られる信号を受信して画像にします。放射線は用いませんので、被ばくの心配はありません。

MRI検査で得られる画像は、正常な組織と病変部分の濃淡がはっきりしていて、細かい変化も見分けることができます。特に、脳や脊髄などの神経組織や筋肉・脂肪・血管などの軟部組織の病変を検出することに優れています。骨に囲まれた部分でも鮮明にうつしだすことが可能であり、また、縦、横、斜めのあらゆる方向からの断層写真を見ることができます。

検査中は、大きな音が連続して聞こえてきますが、なるべく動かないように気をつけてください。検査時間は撮影部位によって異なりますが、15分~30分程度になります。また、造影剤という薬を使用する場合もあります。

検査の短所としては、検査時間が長いこと、一度に検査できる範囲が狭いこと、金属が体内に埋め込まれている場合や閉所恐怖症の方は検査ができない場合があることなどがあげられます。

検査に対して心配なことがある場合には、事前にしっかりと主治医に確認しておきましょう。

  • 画像の検査

PET検査とはどのような検査ですか。

何がわかるのでしょうか。

PETとは、Positron Emission Tomographyの頭文字をとったもので、日本語では、「陽電子放射断層撮影検査」といいます。 放射性薬剤を静脈に注射し、体内で薬剤が分布する様子を特殊なカメラで映像化する診断法です。

PETで使用される薬剤は、ブドウ糖に近い成分です。細胞はブドウ糖をエネルギー源として使っていますが、がん細胞は正常の細胞よりも活動性が高く、栄養であるブドウ糖を正常細胞に比べて3~8倍とたくさん取り込む性質があります。 したがって、PETで使用する薬剤もがん細胞に多く取り込まれ、正常細胞よりも強い放射線がでてきます。放射線の量はがん細胞がブドウ糖を取り込む量、つまり活動性に比例するため、PETはがん細胞の機能(活動性)を反映する検査ともいえます。

検査のメリットとしては、がんの大きさ・部位・活動性がわかること、短い検査時間でほぼ全身のがん検査が可能なこと、からだへの負担が少ないこと、ブドウ糖に似た薬剤なので副作用の心配がないことなどがあげられます。 検査の弱点としては、画像の解像度が低く、病気がおきている細かい位置の特定が難しい場合があること、炎症をおこしている部分にも薬剤が集積してしまうので、がんと見分けがつきにくい場合があること、胃がんや膀胱がん、肝細胞がんなどはPET検査の有用性が低い場合もあることなどです。 放射線被ばくの問題に関しては、PETで使用される薬剤は量も少なく、半減期も非常に短いため、結果として人体にほとんど影響のないごく僅かな被ばく量ですみますので、心配はありません。

検査が適応となるのか、有用かどうかは、病気や病状によって異なりますので、医師にご確認いただくとよいでしょう。

  • 放射線治療

バセドウ病のアイソトープ治療を受けることになりました。

アイソトープ治療とはどのようなものなのでしょうか。

甲状腺の細胞は、ヨード (ヨウ素)を原料として甲状腺ホルモンを作っています。アイソトープ治療は、放射性ヨード(ヨウ素)治療ともいい、放射性ヨードを甲状腺細胞に取り込ませることによって、甲状腺の細胞数を減らし、過剰に分泌されている甲状腺ホルモンの量を減少させる治療法です。手術療法と異なり痛みや傷痕が残ることがなく、抗甲状腺薬で十分な効果が得られない場合や副作用がある場合でも、アイソトープ治療をすることは可能です。

実際の治療方法ですが、放射線治療と聞くと何か大きな設備をイメージされるかと思いますが、放射性ヨードの「カプセル」を飲むだけです。多く場合は、入院の必要もありません。ヨードは甲状腺のみに集積するので、放射線による副作用として、他の臓器ががんになったり、脱毛が生じたりということもありません。

ただし、治療に先立ち、いくつか理解しておかなくてはいけないことがあります。まず、アイソトープ治療で用いられる放射線は微量であり、ご本人および周囲の方にとっても安全な治療法ですが、必要以上の被ばくをしない(させない)という認識が重要となります。たとえば、服用した放射性ヨードのうち甲状腺に取り込まれなかったものは、尿中や汗、唾液から排出されます。そのため、放射性ヨードを内服後、数日間は十分な水分をとって排出を促したり、トイレ使用時も水しぶきが飛びちらないようにしたりするなどの配慮が必要となります。また数日間は、体内から微量の放射線が放出されていますので、公共交通機関の利用や、特に妊婦や小さな子どもとの親密な接触は避ける必要があります。

アイソトープ治療の効果によって甲状腺ホルモンの分泌が減少するまで数カ月かかるため、それまでは抗甲状腺薬で調整します。またその後は、アイソトープの治療効果として、甲状腺細胞の数が減り甲状腺機能低下となることがありますが、甲状腺ホルモン薬で正常値を維持するように治療が続けられます。

上記を参考に、主治医とよく相談のうえ治療法を選択してください。

※「アイソトープ」は、正しくは「放射性同位元素」=「ラジオアイソトープ」を指す

  • 放射線治療

がんの放射線治療で、「陽子線」治療と「重粒子線」治療について教えてください。

一般的な放射線治療とは、何が違うのですか。陽子線と重粒子線では、どちらが優れているのですか。

陽子線や重粒子線は粒子線と呼ばれ、エックス線やガンマ線など一般的な放射線治療と同じく、放射線をがん病巣に照射することによって治療をおこなうものです。

まずは、エックス線やガンマ線の一般的な放射線と、陽子線や重粒子線の粒子線による治療の違いを説明します。
エックス線やガンマ線を一方向から照射すると、体表面から近いほど(深さが浅いほど)線量が多く、深くなるにしたがって線量が少なくなります。これに対して、陽子線や重粒子線は、体表面付近では線量が少なく、粒子が停止する付近で最も線量が多くなるという特徴があります。つまり、陽子線や重粒子線による治療は、体の奥にあるがん病巣だけを集中的に照射できるため、周囲の健康な組織や臓器への影響は少なく済みます。

続いて、陽子線と重粒子線の違いを説明します。
がん細胞を死滅させる能力は、陽子線は従来のエックス線などとほぼ同じです。それに対し重粒子線は、陽子線やエックス線と比較して、細胞を死滅させる作用が優れています。エックス線の細胞を攻撃する効力は、がん細胞の分裂周期や細胞周辺の酸素濃度に影響を受けますが、重粒子線はそれらの影響を受けません。また、陽子線も重粒子線も、上述したように、がん病巣だけを効果的に攻撃するという点においては似た特徴がありますが、深い所では、重粒子線の方が陽子線よりも精緻な治療が可能とされています。

陽子線や重粒子線による治療は、従来の放射線治療よりも優れている点が多くあります。しかし、がんの病期や大きさ、部位によっては、必ずしも陽子線や重粒子線による治療が適さない症例もあります。どういった方法での治療がよいかは、主治医とご相談ください。

  • 放射線治療

放射線治療を受けることになりましたが、副作用が心配です。

どんな症状がおきるのでしょうか。

放射線治療の副作用には、治療中から治療終了後1ヶ月くらいの間におこる「急性の副作用」と、治療終了後数ヶ月から数年経ってからおこる「晩期の副作用」があります。

急性の副作用は、放射線に対して感受性の高い皮膚や粘膜の細胞が障害されることでおこります。照射した部位によって症状は異なりますが、皮膚が赤くなったりヒリヒリするなどの皮膚炎は共通しておこります。 このほかに、鼻やのど、首に照射した場合は、口の中やのどの粘膜に炎症がおきます。また、腹部に照射した場合は、腸の粘膜に炎症がおきて下痢になったり、膀胱炎がおきて頻尿になったりすることがあります。 放射線を照射した部分にむくみがおきてしまうこともあり、頭部の場合は脳がむくんでめまいや吐き気症状がおきたり、のどの場合は声帯がむくんで声が枯れたりすることもあります。 急性の副作用は、根治に必要な放射線量をかけると必ずおこりますが、治療が終了すれば治っていきます。

晩期の副作用は、細胞と細胞をつないでいる組織が硬くなることや、血管が障害されて酸素・栄養不足が生じ、組織が壊死してしまうことによっておこります。 照射する部位によっては、肺が線維化して機能が低下したり、直腸に潰瘍ができたり、膀胱が萎縮して頻尿になったりすることもあります。 晩期の副作用がおこるかどうかは、照射した放射線量や照射する部位の大きさによって、ある程度推定することができますので、医師も慎重に治療をすすめていきます。

放射線治療を受けることで現れる症状は、あくまでも照射した範囲や臓器にしか影響しないことが一般的です。また、症状の程度は人によって異なります。 今後受けていただく治療で、どのような症状が現れる可能性があるのか、治療前にしっかり医師に確認することをおすすめします。

  • 放射線治療

がんで放射線治療を受けることになりました。

なぜ放射線でがんを治療できるのでしょうか。また、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

人の細胞に放射線が照射されると傷が生じます。細胞が生きていくために必要不可欠な場所や細胞分裂を制御している場所に傷が生じると、細胞は生きていくことができなくなってしまいます。

正常な細胞であれば傷から回復する能力は高いのですが、がん細胞は回復する能力が劣っており、傷が残りやすいため、放射線を受けたがん細胞の方が正常細胞より多く死滅していくことになります。 放射線治療ではこの作用を利用して、一定量の放射線を繰り返して照射し、がん治療をおこなっているのです。

放射線治療は、手術と比べると以下のようなメリットがあります。

  1. 1.からだに傷をつけないため、臓器の機能・形態の温存に優れている
  2. 2.どのような部位でも照射できる
  3. 3.体への負担が少なく、手術を受けることにリスクのある方や高齢者にも適応できる

問題点としては、放射線に抵抗性を示すがんがあることや、照射の線量、回数や期間を一定範囲にとどめないと、正常組織に影響が及ぶことなどです。そのため、治療前に必ず治療計画用のCTを撮影して線量計算をするなど、細かい計画を立ててから治療に入ります。

治療が始まる前には、治療計画についての説明があります。治療が始まってからも、定期的に医師と話ができる機会がありますので、疑問点についてはその都度相談してみましょう。

  • 放射線治療

放射線治療をおこなうと、髪の毛は抜けるのでしょうか。

放射線治療の影響は、その放射線が当たった範囲にしかおこりません。 例えば、頭部全体に放射線治療を受けると頭髪が抜けていきます。 多くの場合、治療開始後約1~3週で髪の毛が抜け始めます。放射線治療が終了すると、数ヶ月で次第に髪の毛が生え始め、半年から1年でほぼ元通りの頭髪に戻ることが一般的です。 脳、頭蓋骨、頭皮の一部分に放射線治療を受けた場合には、髪の毛が抜ける範囲も部分的となります。 頭部に放射線治療を受ける場合、脱毛以外にも、頭痛、頭皮が赤くなる、吐き気などの症状がおこる可能性があります。

首、胸、お腹、手足のような、頭部以外の場所に放射線治療を受けた場合には、髪の毛が抜けることはありません。もし、それでも髪の毛が抜けてきた場合、あるいは頭部に放射線治療を受けた後1年以上経っても髪が生えてこない場合には、抗がん剤の影響である可能性があります。

治療を受ける前に、医師に放射線を受ける部位の範囲やおこりうる症状について、詳しくご相談されることをおすすめします。