検査:質問一覧

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  • 検査所見

検診で頭部MRI検査を受けた結果、軽度の脳の萎縮があるといわれました。

医師からは「病的な問題はない」といわれましたが、将来、認知症にならないかと心配です(60代男性)。

脳は、20歳くらいまでは年齢とともに大きくなり、知的な機能も発達します。その後、20歳頃からは脳の発育は止まります。
脳全体には140億個の神経細胞が存在し、30歳頃を境に少しずつ神経細胞が死んで脱落します。一説によると1日に減少する神経細胞の数は10万個といわれています。これが加齢にともなった脳萎縮のひとつの原因です。特に60歳以上では画像上でも脳の萎縮が確認されます。萎縮の程度は個人差が大きく、脳の部位によっても差がみられます。

このように、MRI検査の結果に軽度の脳の萎縮が認められても、脳萎縮と認知症は、必ずしも直接的に結び付きません。医師によって「問題ない」とされたのであれば、心配されることはないでしょう。

もし将来、認知症を疑うような物忘れなどの症状があれば、認知症の専門医にご相談ください。

  • 視野の問題

健康診断で緑内障の疑いがあるといわれました。

緑内障とはどのような病気でしょうか(50代)。

緑内障は、健診などによって見つかりやすい病気であり、中高年の代表的な目の病気の一つです。
緑内障になる方の傾向としては、

  1. 1.強度の近視または遠視
  2. 2.家族に緑内障の方がいる
  3. 3.糖尿病にかかっている

などがあげられます。

緑内障では、房水(目の中を循環する液体)の産生と排出のバランスが崩れてしまうことで、眼圧が上がります。眼圧が上がることで、その圧力により視神経が影響をうけ、視力や視野(見える範囲)に異常がおきてしまいます。ただし、正常な眼圧であっても視野に異常がみられる場合があり、これは正常眼圧緑内障といいます。

早期に治療を開始して、眼圧がその方個人の正常域にコントロールされると、緑内障の症状は停止して、多くの場合それ以上の悪化を防止することができるといわれています。しかし、緑内障の中には加齢とともにゆっくりと視神経の障害が進行するタイプのものもありますので、定期的な受診が大切です。治療方法は、緑内障の病状にあわせて、点眼薬やレーザー治療、手術療法などが選択されます。

まずは、眼科を受診して、詳しい検査を受けられることをおすすめします。

  • 尿の検査

健康診断で尿に蛋白がでました。

今まで、このようなことはなかったので、心配です。心当たりといえば、最近忙しく疲れていたくらいです。

尿の蛋白の検査は、通常は試験紙法といって、尿をリトマス紙のような紙につけて、どのような色に変色するかをみるものです。

尿中に蛋白が検出されても、すべてが病的な状態とは限りません。例えば、激しい運動後(運動性蛋白尿)、発熱したとき(熱性蛋白尿)、寒冷にさらされたとき、入浴時、精神的に興奮したときなどにも一過性にみられることがあります。

精密検査が必要な蛋白尿としては、ネフローゼ症候群、腎炎、腎硬化症、心不全などの病気が隠れている場合です。また、結石、炎症、腫瘍などでも蛋白尿がみられることがあります。

今回の場合は、健康診断の時期に疲れていたということですし、これまでの健康診断で尿に異常がなかったのであれば、一過性の蛋白尿である可能性が考えられます。その場合には、疲れていないときに尿検査をもう一度おこなうことをおすすめします。再検査で、再び蛋白尿が検出されるようでしたら、念のため精密検査をお受けになった方がよいでしょう。

  • 尿の検査

健康診断で血尿を指摘されました。

排尿時に特に痛みなどもありません。何が原因か心配です。

血尿がおきる原因としては、腎臓から尿道に至るまでのどこかに、炎症や腫瘍、あるいは結石などがあって出血していることが多いです。ときに、白血病や血小板減少性紫斑病などのような、全身性の出血傾向がある場合にも血尿がみられることがあります。

細菌感染がきっかけでおきる血尿は、膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)などであり、腎臓や尿管、膀胱の粘膜で炎症がおこり、腫れた粘膜からじわっと出血してくるものです。膀胱炎では排尿時の痛みや排尿後の残った感じ、尿回数が増えることがあります。また、腎盂腎炎では発熱をきたすことが多いです。

他に、血尿に対してどんなに詳しい検査をしても、何も病気が見つからないいわゆる「特発性腎出血」というものがあります。その場合は、定期的な検査で経過を見ていくことが大切です。

まずは、泌尿器科を受診し、詳しい検査を受けられることをおすすめします。

  • 血圧の問題

年々、血圧が高くなっています。

上の血圧は140を超えていませんが、年々高くなっています。今後注意することについて教えてください。

年齢とともに血圧が少しずつ上昇することは、血管の硬さが年々増すためといわれています。どなたにもみられる現象です。注意しなければならないのは実際の数値です。血圧の値が140/90mmHg以上が高血圧とされています。もし、肥満や糖尿病や脂質異常症があったり、腎臓などの病気や、心筋梗塞や脳卒中などになったことがあれば、140/90mmHg未満であっても治療の対象となることがあります。

今後注意すべきことについては、肥満があれば減量が必要になります。方法としては、夜、寝る前に「少しおなかがすいたなあ」と感じるくらいに夕食を減らすところから始めるとよいでしょう。毎日の出勤は速足で、できれば朝夕20分程度歩くとよい運動になります。塩辛いものを控えることも大切です。1日の食塩摂取量の目標量は、男性は9.0g未満、女性は7.5g未満(高血圧の方は6.0g未満)とされています。濃い味に慣れていると、「まったく味がない」と感じるでしょうから、徐々に薄味にして舌を敏感にしていくとか、スダチやカボスなどを上手に使って行くといった工夫が必要です。たばこは吸わないようにしましょう。仕事でストレスを感じる場合には、それを解消するために、まったく仕事とは関係ない趣味を見つけ、適度に体を動かせることができれば最高です。

もちろん、定期的に健康診断を受けて、尿の検査や血液中のコレステロールや中性脂肪などをチェックすることも大切です。

※ LDLコレステロールや中性脂肪が基準値以上に増加したり、HDLコレステロールが基準値以下に低下した状態

  • 脂質の問題

健診で「脂質異常症」と指摘されました。

特に症状はありませんが、治療の必要性はあるのでしょうか。

「脂質異常症」とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が多くなり過ぎてしまう病気です。

血液中にある脂質のうち、多過ぎると問題なのは、LDL(悪玉)コレステロールと中性脂肪です。血液中のLDLコレステロールが多過ぎると、動脈の内側の壁にコレステロールがたまって血管が狭くなるとともに、血管が硬くなり、動脈硬化が進みます。また、中性脂肪は、それ自体は動脈硬化の原因にはなりませんが、中性脂肪が多いと、HDL(善玉)コレステロールが減ってLDLコレステロールが増えやすくなるため、動脈硬化の間接的な原因になります。

ところが、血液中の脂肪が異常に増えても、自覚症状はないため、自分で気づくことはありません。動脈硬化になっても、まだ自覚症状がありません。そのため「脂質異常症だから、病院で精密検査を受けるように」といわれても、それが何を意味するのかわからないまま、放置してしまう人が多いのです。

動脈硬化が進むと、血液が流れにくくなったり、血管に血栓(血管の成分や血管壁がはがれたものなど)がつまりやすくなったりして、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や、脳卒中などの命にかかわることもある病気を発症してしまう危険性が高くなります。さらに動脈硬化は、高血圧の悪化や、腎臓病などの原因にもなります。したがって、脂質異常症は、自覚症状がなくても、早く見つけて治療することが重要なのです。

脂質異常症の治療は、生活習慣の改善と薬物療法です。具体的に心がけることは、禁煙、食生活の見直し、適正体重の維持、運動などです。生活習慣を改善しても血中脂質の数字が高いまま下がらないときには、薬物治療を検討する必要があります。

健康診断などで脂質異常症を指摘された場合は、内科を受診し、定期的に通院して薬物による治療の必要性があるのかなどを相談されることをおすすめします。

  • 脂質の問題

中性脂肪が高めといわれています。

どのようなことを注意すればいいですか。

中性脂肪とは、血液中に存在する脂肪のひとつで、エネルギーを貯蔵する役割を果たします。エネルギーとして使われなかった中性脂肪は、からだに蓄えられます。

中性脂肪は、甘いものやごはんなどの炭水化物の摂取が多い方、アルコールを飲む機会が多い方に検査数値の上昇がみられる傾向があります。

そのため、中性脂肪が高い場合、まず、次のような生活改善がすすめられます。

  1. 1.夕食を食べるのが夜8時以降になる場合、油を控えたヘルシーメニューを心がける
  2. 2.間食を控え、3食しっかりとる
  3. 3.ご飯は1食につき1杯が目安
  4. 4.お酒は適量(1日ビール500ml、日本酒1合程度)を楽しむ
  5. 5.嗜好飲料(コーヒー、紅茶、ジュースなど)は無糖や低カロリーなものを選ぶ
  6. 6.定期的な運動習慣で代謝を高める

また、肥満の方の場合、体重を適正な値にすることで、中性脂肪の値を改善させることが期待できます。

中性脂肪は、生活改善によって効果が期待しやすい検査値です。症状がないため放置することで、気がつかない間に動脈硬化が進み、脳血管疾患や心血管疾患などの重大な病気につながります。他の症状が現れないうちに、改善していきましょう。

  • 代謝の問題

夫が、健康診断で「糖尿病の可能性がある」といわれました。

本人は「食事を減らせばいいだけなんだから」と言って、病院に行こうとしません。外食が多いので、外でどのような食生活をしているのかも把握できず、このままでは糖尿病が悪くなるのでは、と心配です。

奥様のご心配、ごもっともです。ご主人は働き盛り、「自覚症状もないし、病院に行ってるヒマなんかないよ」とおっしゃっているのではないですか。そこで、奥様にしていただきたいことがあります。

まず、ご主人の健康診断結果表を見てください。HbA1cという項目が、6.2未満ならば、来年の健康診断結果を待ちましょう。6.2以上6.5未満ならば、時間的には余裕があります。もし6.5以上ならば「糖尿病の可能性がある」ではなく、可能性を通り越して「糖尿病です」と書かれるはずです。そうなると、近くの内科に受診するよう辛抱強く説得する必要があります

次に、体重欄の下のBMIという項目を見てください。BMI(Body Mass Indexの略)の数字が22ならば理想的、25以上ならば肥満。22以上ならば、極力22に近づけることです。それには「1日○○キロカロリーの食事にする」というのが理想的ですが、外食が多いと実行が難しいのが実情です。

そこで体重を減らすコツとしては、

  1. 1.食事療法を始めるにあたって、本人に「食事療法とは面倒なものだ」という意識をいだかせないこと、ハジメが肝腎。それには食品を選ぶときににカロリーを考えること。それも面倒となれば、まず脂肪の多い食品を減らすように伝えてください。
  2. 2.夜、寝る前に少し空腹感を感じる程度の夕食にしてもらうこと。
  3. 3.体重を2~3㎏減らすことを第一目標とすること、その程度の減量ならば達成可能でしょう。そして目標体重になったら、おおいに褒め称えましょう。「素晴らしいわね。なかなかできない人が多いのに、あなたはどんなことがよかったの。ぜひ教えて!」と言って、何がよかったのかをご主人の口から語ってもらうことです。自身の言葉で話すことが、意識づけへとつながるのです。

最後に、ご主人に糖尿病に関する知識を修得していただくことです。糖尿病には自覚症状がないこと、家系に糖尿病の遺伝因子があっても、肥満の解消や運動習慣により糖尿病の芽を摘むことができるのを学習してもらいましょう。糖尿病予防の最善策は、正しい知識を修得し、それを基によい生活習慣を維持することなのです。「あなた、糖尿病について勉強なさい!」と言っては逆効果。そんな時は、「わたし、糖尿病っていう病気、よくわかんないから、あなたが先生になって、わたしに教えて」。これがご本人の学習促進にとても有効なのです。

  • 検査の数値

数ヶ月もγ‐GTPが高い値です。

受診しましたが、経過観察となっているため心配です。本当に治療の必要はないのでしょうか。

γ‐GTP(γーグルタミルトランスペプチターゼ)の検査で高値を示した場合、心配な病気としては、胆管がん、胆のうがん、膵がん、アルコール性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎などです。これらの病気の場合、γ‐GTP以外にもさまざまなデータが異常値を示すことが多いので、γ‐GTP単独の異常であれば、一時的な現象として様子を見ることもよくあります。なぜなら、γ‐GTPが高値となる原因には、アルコール多飲、脂肪肝、肥満、薬剤による副作用などもあるためです。

そのため、γ‐GTP以外にも異常がないかどうかを確認して、治療するかどうかを決めることになり、おそらく担当の医師は、γ‐GTP以外にはこれといった異常がないために、経過観察をされていることが考えられます。ただし原発性胆汁性肝硬変でないことを確認するため、抗ミトコンドリア抗体のチェックは必要でしょう。まずは、主治医とよくご相談されることをおすすめいたします。

  • 肝臓の問題

γ-GTPが200以上でした。

肝臓の薬を飲んでいますが、数値を下げるためにはほかに何がありますか。

すでにご存知のことと思いますが、γ-GTPが上昇する病態として、胆石、胆管炎、胆管がん、脂肪肝、アルコール性肝炎、薬剤性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、慢性膵炎、糖尿病などの病気があります。

このような病気が隠れていないか調べるために、詳しい血液検査、腹部超音波、MRCP(MRI装置を用いて胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査)などの検査をおこなうこともあります。

今回、肝臓の薬をすでに飲んでいるということですが、ウルソデオキシコール酸(肝血流量の増加や、胆汁の流れをよくして胆石を溶かす作用、脂肪吸収促進作用があります)が処方されているかと思われます。

薬での治療以外には、アルコールを控える、体重を落とす、カロリーをとりすぎない、などといったことがすすめられます。

  • 肝臓の問題

献血をして、「HBs抗体陽性」いう通知がきました。

受診の必要はないと記載してありますが、B型肝炎ウィルスに感染しているということなのでしょうか。

B型肝炎は、HBV(B型肝炎ウィルス)の感染によっておこる肝臓の病気です。 肝炎になると肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなってしまいます。

今回献血で「HBs抗体陽性」という結果がでたようですが、これは「現在B型肝炎に感染している」という意味ではありません。「過去にHBVに感染し、その後治癒した(ウィルスがからだの外に排除された)」場合にHBs抗体陽性を示します。 また、B型肝炎ワクチンを接種した場合にも陽性となります。

HBs抗体が陽性の方は、仮にHBVが体内に入ってきてもウィルスは排除され、肝炎を発症することもありませんので、ご安心ください。

  • 尿路の問題

健康診断で、尿路結石があるといわれました。

治療が必要でしょうか。また、どんなことに気を付けたらいいですか。

尿路とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿が排泄される一連の道筋をさします。尿路結石症は、その尿路に結石(石状の塊)が生じる病気の総称です。泌尿器科の外来では最も頻度の高い病気のひとつで、年間罹患率も年々上昇しており、特に壮年男性と閉経後の女性に多くにみられます。

腎臓に結石がとどまるうちは無症状のことも多いのですが、尿の流れに沿って尿管内に落下すると、腰や背中、わき腹などに激しい痛みが生じ、血尿、発熱、吐き気などの症状を伴うことがあります。

治療は泌尿器科でおこなわれ、結石が小さい場合は、溶解薬と鎮痛薬で経過をみながら自然に結石が排出されるのを待ちます。ある程度以上の大きさのものは、内視鏡を用いた砕石術(さいせきじゅつ)、体外衝撃波を用いた結石破砕術などがおこなわれます。

日常生活で気を付けることは、水分の摂取量を増やす、食塩や動物性たんぱく質を過剰に摂取しない、寝る前の食事は避ける、バランスのよい食事を心がけるなどです。
また、シュウ酸を多く含むナッツ、チョコ、ほうれん草は過剰に摂取しない方がよいといわれています。

結石の成分や結石ができている位置によっても、食事の注意点は異なります。具体的な対策については、医師や栄養士にご相談ください。

  • 検査の数値

健診でPSA値が急に6になりました。

毎年、健診でPSA検査を受けています。今年、急に6になりました。がんが心配です。

近年、前立腺がんは患者数の増加率が高いがんの一つで、50歳を過ぎると罹患率が急激に増加します。PSA検査は、この前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査ですが、前立腺肥大症や前立腺炎などのがん以外の病気でも増加します。

日本泌尿器科学会ではPSA値の基準値として、年齢に関係ない基準値(4.0ng/ml以下)、または、年齢階層別の基準値(50~64歳:3.0ng/ml以下、65~69歳:3.5ng/ml以下、70歳以上:4.0ng/ml以下)を定めています。

基準値より低いPSA値でも詳しい検査をおこなうと、がんが見つかる場合があります。この基準値は治療の対象となる、重要ながんを見つけ出すための値とお考えいただくのがよいでしょう。

今回の値であれば、再度検査をおこなうことがすすめられます。再検査した値が基準値を上回っているようであれば、がんの早期発見のためにも詳しい検査がすすめられることになります。

急に値が上がったことで、ご心配とは思いますが、がん以外の前立腺肥大症や炎症による一時的な上昇の可能性もあります。まずは、泌尿器科を受診して再検査を受けることがよろしいかと思います。

  • 血液の検査

血液検査でRF(リウマトイド因子)が陽性でした。

何も症状はありませんが、リウマチということでしょうか。治療は必要でしょうか。

リウマチとは、からだの関節に炎症がおこり、その結果、関節の痛みや腫れ、こわばり、関節変形などの症状がおきる病気です。

今回のRFという検査ですが、実は健康な方でも陽性がでることがあります。健康な方では3%、高齢の方では10%の割合で陽性となり、また男性よりも女性のほうが陽性率が高い、といわれています。 また、リウマチと診断された方のうち30%の方は、RFが陰性という結果がでるともいわれています。 つまり、RFが陽性イコール関節リウマチというわけではないのです。

最近はもう少し詳しい血液検査で、より早期にリウマチかどうか分かるようになりましたので、気になる症状があればもう少し細かい血液検査や画像検査を受けてみましょう。治療は、採血データの結果や関節症状の重症度で異なりますが、薬物療法が中心になります。

  • 画像の検査

CT検査とは、どんな検査でしょうか。

CT(コンピューター断層撮影)検査は、放射線を利用して画像を取得する検査方法です。円筒状の装置の中に検査台がスライドし、放射線をだす装置が、からだの周囲をぐるぐる回転しながら撮影して得た情報を画像にします。

放射線は物質を通過しますが、通過しやすさは物質を構成しているものによって異なります。CT検査で得られる画像は、その通過のしやすさが色の違いとして現れます。例えば放射線が通過しやすい空気を含む肺は黒く、通過しにくい骨は白くうつります。

CTの検査時間は撮影部位によって異なりますが、多くは2~3分程度で、造影剤を使用する場合もあります。造影剤は血管の中を流れていきますので、血流が豊富な組織をくっきりと映し出したり、血管の3D画像を作ることもできます。

検査の短所としては、放射線の被ばくの問題があります。CT検査で受ける放射線の線量は、胸部のレントゲン撮影よりも多く、胃や大腸のバリウム検査と同じくらいといわれています。この線量は発がんなどの人体への影響がある線量に比べるとごくごく少ない量なので、放射線によって何か不都合なことがおこるかもしれないという心配事よりも、診断や治療に有用な情報が得られるという利点の方がはるかに大きいといえます。

検査に対して心配なことがある場合には、事前にしっかりと主治医に確認しておきましょう。

  • 心臓の検査

心臓CT検査を受けるよう、医師から言われました。

心臓CT検査とは、どのような検査なのでしょうか。

心臓の表面には、心臓が動くために必要な血液を供給する冠動脈(かんどうみゃく)という血管が走っています。

今まで、この冠動脈の状態は心臓カテーテル検査でしか分かりませんでした。近年、画像診断技術の向上により、心臓カテーテル検査に比べてからだへの負担が少ない、心臓CTという検査で評価できるようになりました。

心臓CTは、造影剤を静脈注射しながら撮影していきます。円筒状の装置の中に検査台がスライドして撮影するという方法は、通常のCTと同様です。違いとしては、心電図をとったり、検査前に脈拍をゆっくりにする薬を使用したりすることがあります。
撮影した体内の画像は、コンピューターを使って立体的にみることができるため、冠動脈に細くなっている部分がないか、石灰化している部分がないか、血流は保たれているかなどを確認することができます。
また、心臓の構造、機能、血流などを評価したり、心臓バイパス手術後の経過を確認したりすることも可能です。

カテーテル検査に比べて簡単におこなうことができる一方で、冠動脈の石灰化が強い場合には、診断の精度が悪くなってしまうこともあります。
また、造影剤を使用する検査のため、造影剤アレルギーがある方や腎機能が悪い方は検査ができない場合があります。

心臓CT検査が可能かどうかは主治医にご相談ください。

※冠動脈の石灰化
血管壁にカルシウムなどが沈着し、弾力性や柔軟性を失い硬くなった状態のこと。

  • 画像の検査

CTとMRIの検査結果の画像を見ると、輪切りの画像で同じように見えます。

CTとMRIの検査はそれぞれ、どのようなときにおこなわれるのでしょうか。検査の結果はどこが違うのでしょうか。

疑問に思われているとおり、CTとMRIの画像自体をみると、同じような輪切りの画像に見えます。しかしそれぞれの特性によって、得られる情報も用途も異なります。

CT検査は、放射線を利用して画像を取得します。空気を多く含む組織(肺、消化管など)、脂肪、軟部組織(筋肉など)や骨を画像化するのに適しています。撮影は、MRIに比較して、短時間で検査ができます。

MRI検査は、磁気と電波を利用して画像を取得します。水分や脂肪などやわらかい組織(血管・神経・筋肉組織、および各臓器の腫瘍組織など)を画像化するのに適しています。磁気を用いるため、体内にペースメーカを入れている人や、閉鎖空間で行うため閉所恐怖症の人などは受けられません。

どちらの検査でも、コンピュータ処理によって画像を三次元化したり、造影剤を用いて組織のコントラストをはっきりと写しだしたりすることが可能です。
いずれにしても、医師が診断のために知りたい情報を最もはっきり把握できる検査方法が選ばれます。検査方法にご不安があれば、事前に医師や検査技師にお尋ねください。

  • 画像の検査

子どもがジャングルジムから落ちました。頭のCTを撮るべきか迷っています。

脳外科を受診した際に、「CTを撮らないと脳の中の状況はわからないが、CTによる被ばくの影響を踏まえて、検査を受けるかどうか」と聞かれました。子どもがCTを撮ることによる被ばくの影響が心配です。

一度のCT撮影による被ばくの線量は、ごく少ないものです。確かにCT撮影による被ばくは生じますが、数回程度の撮影では子どもの健康に将来長期にわたって悪い影響を及ぼすほどの線量ではありません。

医師によって「CT検査が必要」と判断される場合、CT撮影による被ばくがあったとしても、その不利益の程度は、医療の診断や治療上必要となる情報の有益性に比べ、比較にならないものと考えられます。むしろ、被ばくを恐れてCT検査をおこなわなかった場合、何か重要な所見を見逃す可能性がでてきます。したがって、CT撮影による被ばくの不利益よりも、医療的に得られる利益のほうが大きいといえます。医療の現場では、医師が必要と判断した場合は、CT検査を受けて何ら問題になることはありません。

  • 画像の検査

MRI検査をすすめられました。

どんな検査でしょうか。

MRI(磁気共鳴画像)検査は、磁気を利用して画像を取得する検査方法です。高い磁場状態になっている円筒状の装置の中に検査台がスライドし、周囲からラジオ波(ラジオと同じ電波)をあてて、からだの中の組織から得られる信号を受信して画像にします。放射線は用いませんので、被ばくの心配はありません。

MRI検査で得られる画像は、正常な組織と病変部分の濃淡がはっきりしていて、細かい変化も見分けることができます。特に、脳や脊髄などの神経組織や筋肉・脂肪・血管などの軟部組織の病変を検出することに優れています。骨に囲まれた部分でも鮮明にうつしだすことが可能であり、また、縦、横、斜めのあらゆる方向からの断層写真を見ることができます。

検査中は、大きな音が連続して聞こえてきますが、なるべく動かないように気をつけてください。検査時間は撮影部位によって異なりますが、15分~30分程度になります。また、造影剤という薬を使用する場合もあります。

検査の短所としては、検査時間が長いこと、一度に検査できる範囲が狭いこと、金属が体内に埋め込まれている場合や閉所恐怖症の方は検査ができない場合があることなどがあげられます。

検査に対して心配なことがある場合には、事前にしっかりと主治医に確認しておきましょう。

  • 画像の検査

足首を骨折してボルト固定していますが、MRI検査は受けられますか。

ほかにMRI検査ができないのは、どのような人ですか。

MRIとは、 Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略で、文字通り、磁石と電波を利用して撮像する検査です。MRI検査室では非常に強い磁場が発生するため、磁石にひきつけられる金属類を持ち込むことは禁じられています。

骨折の固定部位にプレートやボルトを使用している場合ですが、基本的には、MRI検査を受けることはできます。現在、身体に埋め込まれた人工的な医療材料の大多数は、MRIに対応した安全性が確認されたものがほとんどです。骨折の固定に使用されるプレートやボルトなど骨の中にしっかり固定された物は、動く危険性も無く、安全にMRI検査を受けることができます。ただし、金属の入っている部位には画像のひずみが生じるため、診断に影響がでる場合があります。

その他、歯科での詰め物やさし歯(取り外しできないもの)、心臓の人工弁や冠動脈ステント(金属製でないもの)、人工骨頭、人工関節、人工血管なども同様です。ただし、状況に応じては、MRI検査を受けられない場合もありますので、必ず事前に医師や検査技師に申しでてください。ケースによっては、材料の種類を特定するため、治療をおこなった医療機関に問合せが必要となる場合もあります。

MRI検査が受けられないのは、磁石に反応する金属を用いた医療材料を体内に埋め込んでいる人(心臓ペースメーカー、人工内耳、脳動脈瘤の金属クリップ、一部のインプラントなど)や、妊娠初期や妊娠可能性のある人、閉所恐怖症の人などです。

注意が必要なのは、入れ墨(タトゥー)や眉のアートメイクをしている人などです。特に海外でのタトゥーは、色素に金属原料が使われている場合があるため、熱傷をおこしたり、画像にひずみが生じたりする場合があります。このような場合は、事前に医師や検査技師に相談されることをおすすめします。

  • 画像の検査

CTの検査で造影剤を使用して調べましょうといわれました。

造影剤の検査で何がわかるのでしょうか。また、造影剤の副作用にはどんなものがあるのでしょうか。

腫瘍が良性か悪性であるか、また、その広がりの状態をみる場合、血管の様子をみる場合、単純CT(造影剤を使用しないCT検査)でくっきりうつらない場合などは、造影剤を用いることで、検出度をあげることができ、より正確な診断に役立ちます。CT検査で使用される造影剤は、「ヨード造影剤」と呼ばれるもので、通常、腕の静脈の血管から注入し、CTスキャンをおこないます。

造影剤を注射している最中にからだが熱く感じられることがあります。このほかに副作用として、かゆみ、発赤・発疹、吐き気、嘔吐、めまい、しびれ、などの症状がみられることがあります。これらの症状は、検査中~検査後1時間の間におこることがもっとも多いので、気になる症状が現れたらご相談ください。喘息の既往がある方や、アレルギー体質の方には、これらの副作用がでやすいので、事前に医師にお話しておくとよいかと思います。

注射された造影剤のほとんどは、腎臓をとおって尿中に排泄されるので、検査後は水分を通常より多めにとるようにするとよいでしょう。腎機能が低下している方は、造影剤の排泄が滞ることがあるため注意が必要です。

なお、MRIの検査でも造影剤を使用して検査をおこなうことがあります。MRI検査では「ガドリニウム造影剤」が使用されます。副作用や注意点は、CTの造影剤の検査とほぼ同様になります。

検査を受けるにあたり、不安な点や不明な点がある場合は、主治医によく確認しておくことをおすすめします。

  • 画像の検査

PET検査とはどのような検査ですか。

何がわかるのでしょうか。

PETとは、Positron Emission Tomographyの頭文字をとったもので、日本語では、「陽電子放射断層撮影検査」といいます。 放射性薬剤を静脈に注射し、体内で薬剤が分布する様子を特殊なカメラで映像化する診断法です。

PETで使用される薬剤は、ブドウ糖に近い成分です。細胞はブドウ糖をエネルギー源として使っていますが、がん細胞は正常の細胞よりも活動性が高く、栄養であるブドウ糖を正常細胞に比べて3~8倍とたくさん取り込む性質があります。 したがって、PETで使用する薬剤もがん細胞に多く取り込まれ、正常細胞よりも強い放射線がでてきます。放射線の量はがん細胞がブドウ糖を取り込む量、つまり活動性に比例するため、PETはがん細胞の機能(活動性)を反映する検査ともいえます。

検査のメリットとしては、がんの大きさ・部位・活動性がわかること、短い検査時間でほぼ全身のがん検査が可能なこと、からだへの負担が少ないこと、ブドウ糖に似た薬剤なので副作用の心配がないことなどがあげられます。 検査の弱点としては、画像の解像度が低く、病気がおきている細かい位置の特定が難しい場合があること、炎症をおこしている部分にも薬剤が集積してしまうので、がんと見分けがつきにくい場合があること、胃がんや膀胱がん、肝細胞がんなどはPET検査の有用性が低い場合もあることなどです。 放射線被ばくの問題に関しては、PETで使用される薬剤は量も少なく、半減期も非常に短いため、結果として人体にほとんど影響のないごく僅かな被ばく量ですみますので、心配はありません。

検査が適応となるのか、有用かどうかは、病気や病状によって異なりますので、医師にご確認いただくとよいでしょう。

  • 画像の検査

歯科医院で撮ったレントゲンについて教えてください。

パノラマレントゲンを撮った後に、もう1枚別に歯の写真を撮りました。パノラマレントゲンですべて分からないのでしょうか?なぜ別の写真を撮る必要があるのでしょうか。

2回もレントゲンを撮られ、疑問に思われたのですね。
まず、歯科で撮影するレントゲンについて説明します。
歯科で撮影するレントゲン写真は、おもに「パノラマレントゲン」と「デンタルレントゲン」の2種類があります。

「パノラマレントゲン」とは、口の中全体を1枚のレントゲン写真として撮影する方法です。
パノラマレントゲン写真では、ぐるりと撮影されるので、あご全体、つまり上あごと下あごの骨、全ての歯の状態を平面にうつしだすことができます。
歯の位置や歯が生えている方向、歯の形態、歯根の周囲の骨などを観察できます。ただし、パノラマレントゲン写真は、細かいところを詳細に観察するには不十分です。

そのため、歯の状態を正確につかむ場合は、「デンタルレントゲン」撮影を追加することになります。
デンタルレントゲンの写真は、撮影できる歯の本数は1~4本程度です。しかし画像が鮮明であり、細かいところの観察が可能です。個々の歯の状態や歯の周囲の骨の状態を観察でき、骨の異常や、初期の歯周炎、初期のむし歯を写し出すことができます。

このように、患者さんの口の中全体の様子をパノラマレントゲン写真で確認し、患部を詳細に観察するためにデンタルレントゲンを追加して撮影する方法は、歯科治療ではよくおこなわれています。疑問に思うこと、ご不明な点がある場合は、主治医に確認してみてください。

  • 画像の検査

健康診断や歯の治療のために、続けてレントゲン検査を受けました。

被ばくが心配です。

放射線は目に見えないものですから、おからだへの影響について不安を感じられる方は多くいらっしゃいます。レントゲン検査での放射線の被ばくについてですが、結論からいいますと、この程度の検査の放射線で将来、がんなどのからだへの影響がおこることはない、といっていいでしょう。放射線で発がんなどの心配がある線量としては、胸部レントゲン検査の場合でしたら、その1万倍以上のレベルの線量になります。

レントゲン検査を受けることで、からだにとって大切な多くの情報が得られます。放射線によって何か不都合なことがおこるかもしれないという心配事よりも、診断や治療に有用な情報が得られるという利点の方がはるかに大きいといえます。

ただし、妊婦(胎児)には特別の配慮は必要です。乳幼児、小児期は将来の人生暦が長いので、当然、不必要な被ばくは避けるようにしなくてはなりません。

いずれにしても、病気の変化をみる目的などで毎月のように胸部レントゲン検査を受けても、心配はないといっていいでしょう。大切なことは、レントゲン検査の前に検査の必要性について、そして、検査後は検査のやりっぱなしということのないように、その結果についてよく担当医から説明してもらうことが大切です。

  • 妊娠と放射線

妊娠4~5週頃に市の健診で胸部X線撮影と胃の透視検査を受けました。

現在、妊娠7週です。放射線被ばくにより、将来生まれてくる子どもに白血病やがんなどが発症しないか心配です。

まず、放射線による胎児への影響ですが、胸部X線撮影では放射線が骨盤の方には照射されませんので、胎児被ばくはほとんどないと考えていいでしょう。

胃のバリウム検査ですが、その場合でも、骨盤内を直接透視するわけではないので、胎児に被ばくすることはほとんどありません。 胃のバリウム検査で腹部に受ける線量と比べると、子宮のある骨盤内にはその100分の1以下程度の影響しかないと考えられます。 胎児に対する被ばくが問題になる線量と比べれば、これははるかに少なく、胎児に及ぼす影響はないと思われます。

  • 胃の検査

胃のバリウム検査と内視鏡検査では、どちらがよいのでしょうか。

胃のバリウム検査を毎年おこなっていますが、内視鏡の方がよく分かると聞いたことがあるので、どちらを選べば良いのか悩んでいます。

健康診断で食道・胃・十二指腸を検査する方法として、胃のバリウム検査と内視鏡検査があります。 集団検診では、多くの場合胃のバリウム検査をおこない、異常がある場合には内視鏡検査をおこなうことが多いようです。

胃のバリウム検査は、バリウムを飲んでレントゲンを撮影するだけなので、体への負担が少なく、検査時間も短いので、多くの方を対象に検査をおこなうことが可能です。また、実際にバリウムを飲み込む際の状態を確認することができるので、食道の通過障害を引きおこすような病気を見つけることができ、また胃の全体の状態(動きや膨らみ方など)を確認することもできます。 しかしながら、実際に消化管の粘膜におきている微細な変化を指摘できない場合があることや、生検(組織を一部採取して調べる方法)による確定診断をおこなうことはできないというデメリットがあります。

一方、内視鏡検査は粘膜におきている炎症や潰瘍、腫瘍などの変化を見つけることができ、実際に心配な部分があれば生検をおこなって確定診断をつけることができます。 基本的には安全に受けていただける検査ですが、バリウムの検査に比べると体に負担がかかり、検査に伴って消化管に傷がついたり、穴が開いてしまうなどの合併症をおこす可能性もあります。

確かに確定診断をつけることができるという意味では、内視鏡の方が有用かもしれませんが、お体への負担などのデメリットもありますし、バリウム検査だからこそ発見できる病気もあります。 1年毎にバリウム検査と内視鏡を交互におこなう方などもいらっしゃいますので、どの検査を選ぶのかはかかりつけの医師とよくご相談していただくとよいでしょう。

  • 胃の問題

健診のバリウム検査で胃にポリープがみつかりました。

次の定期健診まで様子をみてよいといわれましたが、悪いものではないかと心配です。

胃ポリープは、胃の粘膜の一部が盛り上がった病変で、小さなものは一般的に半年から1年に1回の検査で経過をみます。

ポリープの種類によっては放置しても問題がないものもありますが、2cm以上の大きなものや、がんとの識別がはっきりしないものは、生検(患部の一部を切り取って顕微鏡等で調べる検査)をして組織を調べます。 その結果、がんや腺腫(せんしゅ)と判断されれば治療をおこないます。

バリウムの検査では、胃の全体像、ポリープ表面の凹凸の状態を観察しています。どうしてもご心配な場合は、直接胃の粘膜を観察できる内視鏡検査を一度受けておくことも一法です。 内視鏡設備がある消化器科、あるいは胃腸科でご相談されるとよいでしょう。

  • 大腸の問題

内視鏡検査を受けたところ、大腸ポリープが見つかりました。

半年後に再検査予定ですが、それまでに大きくならないか心配です。

大腸粘膜に隆起(りゅうき)する組織を、大腸ポリープといいます。 ポリープは、腫瘍性のポリープと、非腫瘍性のポリープにわけられます。 腫瘍性のポリープの大部分は良性腺腫(せんしゅ)と呼ばれますが、大きさが増すにつれて部分的に小さながんを伴っていることがあります。 一方、非腫瘍性のポリープには、炎症性ポリープや粘膜が少し盛り上がった過形成性ポリープがありますが、いずれも良性でがんとは無関係です。

一般的に、ポリープの大きさが1cm以上のポリープであれば、期間をあけずに切除することが多く、5mm以下のポリープはがんであることはほとんどないため、経過観察とすることもあります。 小さなポリープの場合は通常2~3年程度で大きさや形態が大きく変わることはありませんので、半年後の再検査でも心配ないと考えられています。 ただし、大きさ以外にも、ポリープの形によって対処方法は異なりますから、経過観察の間隔や切除するかどうかは、最終的には医師の判断によるところとなります。

今回経過観察となったのは、小さなポリープで、がんの可能性が低いと判断された結果かと思いますが、ご不安な点については主治医に確認していただくとよいでしょう。

  • ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染していないか心配です。

検査方法がいくつかあるようですが、どんな検査がありますか。

ピロリ菌は、胃の壁を傷つけ胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうため、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。

ピロリ菌による胃炎が長い間続くと、胃の粘膜が萎縮し萎縮性胃炎という状態に変化します。この変化は胃がんの危険因子と考えられています。

ピロリ菌を調べる検査は内視鏡を使う方法と使わない方法があります。

内視鏡を使う方法は、以下の3種類です。

1.培養法

胃の粘膜を採り、ピロリ菌の発育しやすい環境下で5~7日間培養し判定します。施設によっては、発育した菌を使って薬が効くかどうかの検査をおこない、成功率の高い除菌法を選ぶことが可能ですが、判定がでるまで時間がかかります。

2.組織鏡検法

胃の粘膜を組織標本にし、顕微鏡でピロリ菌の有無を調べる検査です。ピロリ菌だけでなく、炎症の強さ、がん細胞の有無、がんになりやすい細胞の有無も診断することができますが、菌の量が少ないと判定が難しいことがあります。

3.迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素の働きを利用した検査です。採取した粘膜を特殊な反応液に添加し、色の変化により判定します。判定時間は最も早いのですが、プロトンポンプ阻害薬内服中は偽陰性になることがあります。

内視鏡を使わない方法は、以下の3種類です。

1.尿素呼気試験法

空腹時に診断薬を服用し、服用前後の呼気を採取します。最も精度が高い検査です。

2.抗HP抗体価

血液を採取し、菌に感染したときにできる抗体価を調べる検査です。最も簡単な検査方法ですが、除菌後も抗体価が半年から1年程度残るため、基本的には除菌判定には使えません。

3.糞便中抗原検査

糞便中の抗原の有無を調べる検査です。精度は高く、除菌判定にも使います。

検査が必要な状態なのか、またどの検査がよいのかは、病院でよくご相談ください。

  • 胆のうの問題

人間ドックで胆のうにポリープがみつかりました。

今後どのような治療になっていくのでしょうか。

胆のうポリープには、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープがあり、腫瘍性のポリープには、良性の腺腫(せんしゅ)と悪性のがんがあります。 非腫瘍性のポリープには、コレステロールポリープ、炎症性ポリープなどがあり、がんになることはありません。 健康診断では、超音波検査で発見されることが多く、その場合は、非腫瘍性のポリープや腺腫がほとんどです。大きいポリープの場合は悪性である可能性が高くなり、10mmを超える胆のうポリープのうち25%にがんが認められています。

一般的に5mm以下の胆のうポリープは1年に1回、6〜10mmのポリープは6ヶ月に1回超音波検査をおこない、大きさや形からがん化の兆候がないか、定期的に確認することが多いです。 10mmを超えるものはがんの可能性も高いので、切除をするか、より慎重な経過観察をおこなうかを検討していきます。

胆のうポリープの形や大きさによっても定期検査の間隔や治療方針が異なりますので、医師によく確認しておきましょう。

  • 胆のうの問題

人間ドックの超音波検査で、胆のうに石があるといわれました。

自覚症状はないのですが、経過観察といわれ心配になりました。、治療の必要は無いのでしょうか。

肝臓で作られた胆汁は、胆のう(西洋ナシのような形をした袋状の臓器)で貯蔵、濃縮されます。食事をすると胆のうが収縮し、胆汁は胆管という管を通って十二指腸へ流れ込みます。 この胆汁の通り道のどこかに石ができてしまう病気が、胆石症です。

胆石症は、石ができる部位によって、以下のように分類されます。

1.胆のう結石

胆のうの中に石ができるもので、胆石症全体の約90%を占めます。

2.胆管結石

全体の約10%で、多くは胆のう結石が流れ出たものです。

3.肝内結石

稀に、肝臓の中の胆汁の通り道に石ができることがあります。

今回、胆のう結石を指摘されたようですが、胆のう内に胆石がある方のうち、約80%は長年にわたって何の症状もなく経過します。その場合は、治療の必要はありません。 しかし、胆石が胆汁の出口をふさいでしまった場合には、胆のうが腫れて炎症をおこし、お腹の右上のあたりに痛みを生じます。痛みを繰り返す場合や、激しい痛みをおこす場合は、治療が必要です。

治療方法は、胆のうを摘出する手術や、薬で溶かす治療などがありますが、胆石の性質や大きさ、胆石がある場所、症状などによって異なります。

現在症状が無ければ、様子を見ていてよいとは思いますが、1年に1回は健康診断で変化がないことを確認しておくことをおすすめします。

  • 肝臓の問題

人間ドックを受けたところ、CT検査で肝臓に血管腫があると指摘されました。

血管腫とは何でしょうか。

肝臓にできる良性腫瘍の中で、最も頻度の高い腫瘍が血管腫です。血管腫とは細い血管が無数に絡み合ってできたおできのようなもので、スポンジのような構造をしており、血液を多く含んでいます。肝臓には多くの血管が集まっているために、血管腫ができやすいといわれています。

ほとんどの方が自覚症状はないために、検診などの検査で偶然発見されることが多い病気です。

治療は、自覚症状がなければ経過を見ていくだけで十分ですが、大きくなる、自覚症状を感じる場合は切除をする対象になります。

通常は、半年後に再度検査を受けて、大きさの変化がなければ年に一度程度の検査で経過をみていきます。

  • 膵臓の問題

腹部超音波検査をしたところ、膵臓に嚢胞(のうほう)が見つかりました。

1年後に検査をして様子をみるようにいわれましたが、大丈夫でしょうか。

膵嚢胞とは、膵臓の中や周囲にできる袋状のもので、袋の中には液体がたまっています。自覚症状はないため、CTやMRI検査で偶然見つかることが多い病気です。
膵嚢胞を大きく分けると、炎症性の嚢胞と腫瘍性の嚢胞があります。炎症性の嚢胞は膵炎などの炎症に伴いできたものです。一方、腫瘍性嚢胞は、膵管(膵臓で作られた膵液を十二指腸へと流す管)の粘膜にできた腫瘍細胞が、多量の粘液をだし、これが膵管内にたまって袋状に見えるものです。

腫瘍性嚢胞は、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、漿液性嚢胞腫瘍(しょうえきせいのうほうしゅよう:SCN)などに分類され、経過を見ていくだけでよいものから外科治療が必要なものまであります。その中でも発生頻度が圧倒的に多いIPMNについて説明します。

IPMNは良性の段階から悪性の段階までさまざまな段階があり、良性から悪性へと変化していくことが知られています。そこで、IPMNは良性なのか、それともすでに悪性に変化していないかなど慎重に見極めることが重要になります。
IPMNは数年から数十年かけてゆっくりと発育するものですので、悪性所見のないIPMNの場合、半年から年に一度の定期検査により大きさを経過観察し、もしも悪性に変化している所見が疑われれば、手術による切除をおこないます。

専門的な知識、技術が必要な病気ですので治療経験の豊富な専門医を受診されることをおすすめします。

  • 乳房の検査

マンモグラフィとエコー(超音波)検査は、どちらを受ければいいのでしょうか。

健康診断の案内でどちらかを選べるようになっているのですが、違いがわかりません(40代女性)。

エコー検査はマンモグラフィに比べてしこりの形までよくわかるので、小さなしこりの検出などを含め優れていますが、一般に石灰化の検出は苦手です。一方、マンモグラフィは石灰化の検出に優れているので、その形や分布がエコーと違ってよく分かり、異常を発見することができるという特徴があります。

20~30歳代ではエコー検査が有効といわれています。この年代は乳腺が密のために、マンモグラフィ検査では背景が白く写りしこりが見つけにくいためです。 加齢とともに乳腺が退化して脂肪に置き換わると、背景が黒く写るようになって異常がわかりやすくなってくるため、一般に40歳以降はマンモグラフィ検査でも、しこりの存在は見やすくなります。 しかしながら、なかには40歳代であってもまだまだ背景が白く写り、触診でしこりが触れても画像に写らないこともあります。

以上の理由で、40歳代については、マンモグラフィとエコー検査の併用、あるいは隔年での実施が望ましいと考えられています。

  • 検査所見

乳がん検診でマンモグラフィを受け、石灰化があるといわれました。

石灰化とはいったどのようなことなのでしょうか。がん化するのではないかと心配です。

今回いわれている「石灰化」とは、乳腺内にできるカルシウムの集まりを示しています。この所見は悪性であっても良性であってもみられますが、分布や形によって悪性を疑うかどうかの判断をします。 石灰化イコールがんではないということです。 もしも、がんを疑う所見であれば医師は精密検査をすすめてくるでしょう。 良性なのか悪性なのか、はっきりしない所見であれば、その程度によって精密検査あるいは経過観察という判定になります。

検診結果の判定を確認いただき、指示通りに検査を受けていただくことをおすすめします。

  • 病理検査

センチネルリンパ節生検を受けることになりました。

どのような検査ですか。

センチネルリンパ節生検は、腋窩(えきか:わきの下)のリンパ節の中でも、最初にがん細胞がたどり着くと考えられるセンチネル(sentinel:英語で「見張り」という意味)リンパ節に、がん細胞があるかどうかを調べる検査です。 センチネルリンパ節生検の適応になるのは、しこりが小さく、リンパ節転移の可能性が低い場合です。

センチネルリンパ節にがん細胞がなければ、その先のリンパ節にも転移はないと判断できますので、不必要なリンパ節郭清(リンパ節を取り除くこと)が省略できます。 そのため、上腕のむくみ、腕が上がりにくい、しびれるなどのリンパ節郭清に伴う合併症を軽減できます。

センチネルリンパ節は肉眼で特定することができません。そこで、乳房に色素や放射性アイソトープ(わずかな放射線を発する物質)を注射すると、リンパ管を流れてセンチネルリンパ節に集まるので、そのリンパ節を切除して、がん細胞があるかどうかを顕微鏡で調べます。

センチネルリンパ節生検は、すでに多くの病院で実施されており、信頼できる方法であることが報告されています。 ご不安なことは乳腺科専門医によくご相談されるとよろしいかと思います。

  • 甲状腺の問題

人間ドックで甲状腺腫瘍が見つかりました。

細胞診の検査をしたところ、良性で経過観察となりましたが、がんになるのでは、と心配です。

甲状腺の良性腫瘍には、腺腫(せんしゅ)、のう胞、腺腫様甲状腺腫の3種類があります。20~50歳代の女性に多く、首が腫れる以外の自覚症状がほとんどないのが普通です。腫れが硬く、表面に凹凸があり、皮膚と癒着していたり、急に大きくなった場合は悪性腫瘍(がん)の可能性もあるので注意が必要です。

がんの種類によっては細胞診でも診断がつかないこともあるので、画像上で良性と考えていても、経過を見たうえで手術をすすめられることもあります。

今回いわれているように、医師の指示通りに定期的に検査をすることをおすすめします。

※ 変化が見られる細胞を顕微鏡で観察し、がんではないか、など性質を詳しく調べる検査。

  • 子宮の問題

子宮頸がん検診の結果で、中等度異形成といわれました。

この検診結果はどういう意味ですか。医師から、3ヶ月毎の検診、または、手術治療を提案されましたが、どちらに決めればよいのでしょうか。

子宮がんには子宮の奥にできる子宮体がんと、子宮の入り口付近にできる子宮頸がんがあります。 子宮頸がんは初期では、ほとんど症状がありませんが、がん検診の子宮頸部細胞診(子宮の入り口の細胞をへらやブラシで擦りとって顕微鏡で見る検査)で早期に発見することが可能です。 がんに進行する可能性がある異常な細胞が増殖することを「異形成」と呼びます。異形成の程度が軽度の場合には治ることが多く、高度の異形成では、がんに進行する可能性が高くなります。

子宮頸がん治療ガイドライン上は、中等度異形成の場合は3ヶ月ごとに検診でフォローしていく方法と、円錐切除という子宮頸部を円錐状に切り取る手術をおこなっていく方法と両方を提示することになっています。

たとえば、中等度異形成の患者さんがみな子宮頸がんになるわけではありませんし、すぐに病気が進むわけでもありません。 ただし、中等度異形成の状態がずっと続いたり進行したりするようであれば、その時点で円錐切除は考慮しないといけません。 今後の治療法については、主治医の方針や患者さんの意思を総合的に考えて選択していくことになります。ご自身のライフスタイルを踏まえて、再度、主治医にご相談ください。