胸・背中:質問一覧

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  • 動悸

時々、動悸がします。

安静にしているときに突然始まり、胸の痛みや息苦しさも感じられます。動悸の原因は心臓の異常でしょうか、ストレスでしょうか。

動悸の原因は、いくつか考えられます。心臓の脈拍を調整しているのは自律神経系であり、運動をしたり、興奮したりすると交感神経が働いて脈拍が増加します。一方で、横になって休んでいると副交感神経(迷走神経)が働いて心臓の動きが静まります。これらの神経のバランスが何らかの原因で崩れると、心臓の拍動を感じる動悸へとつながることがあります。

心臓の異常を確かめるには、まずは心電図検査をおこないます。ただし、動悸のないときに検査をしても異常がでないこともあるため、ホルター心電図(24時間にわたって心電図をモニターする)や、負荷心電図(自転車をこぎながら心電図を検査する)をおこなうと病気が見つかる場合もあります。

動悸がおこる心臓以外の原因としては、例えば鉄分が不足して貧血になると動悸がおきやすくなりますし、甲状腺のホルモンが過剰に分泌されると、代謝が活発となって拍動が増加します。その他にも、ストレスが増えて精神的に不安定になると、動悸を感じることもあります。

安静にしている時に動悸がおきると不安になってしまうと思います。動悸を感じた時には、まず自分で脈をはかってみて、1分間の脈拍数と、脈のリズムを確認しましょう。脈拍数が正常範囲(60~90回/分)を大きくはずれていたり、脈のリズムが乱れていたり、動悸を頻繁に感じるようであれば、原因が何かを調べるために、内科の診察をおすすめします。

  • 胸の痛み

熱と咳、息苦しさがあり薬を飲んでいましたが、左胸が急に痛くなりました。

病院で風邪といわれて、薬(抗生物質と胃薬と解熱鎮痛薬)をだされています。左胸が急に痛くなったので、もう一度受診した方がよいでしょうか。

「風邪」とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、発熱などの症状をきたす状態をまとめていう「風邪症候群」のことをいいます。原因は、ライノウイルスやアデノウイルスやコロナウイルスなどのウイルス感染です。ウイルスには抗生物質(今は抗菌薬といいます)は効きません。そのため、普通の風邪に抗生物質は処方しません。しかし、ウイルスにより炎症がおきた鼻やのどや気管の粘膜は、抵抗力がなくなっていますから有害な細菌たちが、ここぞとばかりにはびこって細菌性咽頭炎や気管支炎を併発してきます。今回、抗生物質を処方されたのは、そのような細菌感染の徴候があったということが考えられます。

このような風邪症状に加えて、左胸が痛くなるようなときに考えられるのは、

  1. 1.左側の肺炎
  2. 2.左側の胸膜炎で胸水がたまっている
  3. 3.激しい咳により左側の肋骨や筋肉に無理な力が加わった

の主に3つです。

肺炎であれば医師が聴診した際に呼吸音の変化があるでしょう。胸膜炎とは、肺を包んでいる膜と肺がおさめられている胸郭の内側の壁との間に、炎症が生じて水がたまっている状態です。打診や聴診で確認できます。また、激しい咳により急に力が加われば、時として肋骨にひびが入ることさえあります。これらを調べるために、必要に応じて胸部レントゲン検査をおこないます。

左胸が痛くなったのは、上記の1~3のような状態が考えられます。早速、かかりつけ医に診てもらうことをおすすめします。

※胸部を指でたたき、反響する音を確かめる方法

  • 胸の痛み

半年前から、時々胸の真ん中が痛みます。

胃カメラをしましたが、異常はありませんでした。なぜ痛みがあるのでしょうか。

胸痛は、胸にあるいずれかの臓器で問題(炎症や損傷など)がおきたときなどに感じるものです。特に注意が必要なのは、心臓、肺、大動脈が原因でおこる胸痛で、激しい痛み、呼吸困難、冷や汗があるときにはすぐに治療が必要となる場合があります。

食道や胃の病気で胸痛を感じることもありますが、今回は胃カメラで異常はないとわかっていますので、食道や胃の病気はひとまず安心かと思います。また、ストレスが強い状態が続くと無意識のうちに負担となり、胸痛などの症状が現れたり、胸の神経の痛みが関連していることがあります。ただし、この場合は他の病気が否定された後に検討される状態です。

もし胸痛を感じる頻度が多くなってくる、痛みの程度が強くなってくる場合には、心臓の病気が隠れている可能性もありますので、内科診察をお受けになった方がよいと思います。
また、その際に、医師に伝えるとよいポイントを以下にまとめました。ご参考になさってください。

  1. 1.いつから痛みを感じているのか
  2. 2.胸のどの辺りが痛むのか
  3. 3.痛みの強さの程度(眠れない程痛い、多少気になる程度など)
  4. 4.痛みの感じ方(胸が締め付けられる、肩や背中に広がるなど)
  5. 5.痛みの持続時間
  6. 6.痛みに伴う症状(発熱、咳や痰、胸の湿疹など)
  • 心臓の検査

狭心症と診断され、心臓カテーテル治療を受けることになりました。

どのような治療なのでしょうか。

心臓の表面には、心臓が動くために必要な血液を供給する冠動脈(かんどうみゃく)という血管が走っています。この冠動脈の内腔が何らかの原因で狭くなり、血液の流れが悪くなるのが狭心症です。さらに、冠動脈が閉塞して血流が途絶え、心臓の筋肉が壊死し、心臓が本来の機能を果たせなくなってしまうのが、心筋梗塞です。

狭心症や心筋梗塞の治療には、薬物療法、心臓カテーテル治療、バイパス手術(血管の迂回路をつくる外科手術)などがあります。

このうち、心臓カテーテル治療とは、カテーテルと呼ばれる細い管を使って、冠動脈の狭くなった部分を広げる治療方法です。
手首、肘、足の付け根などの動脈から冠動脈までカテーテルを挿入し、血管が狭くなっている部分でバルーンという風船のようなものを膨らませたり、ステントという網目状の筒を留置したりして血管の内腔をひろげます。
局所麻酔下でおこなわれる治療で、治療時間は約1時間から1時間半程度です。
細い管を通すだけなので、傷跡は数mm程度の小さなもので、外科治療に比べるとからだへの負担は少なくて済みます。

心臓カテーテル治療に伴いおこり得る合併症は、稀ではありますが、カテーテルで血管を傷つけてしまったり、治療中に使用する造影剤という薬にアレルギー反応をおこしてしまったりすることです。
事前に医師から説明がありますので、よく伺っておきましょう。

  • 心臓の検査

心臓CT検査を受けるよう、医師から言われました。

心臓CT検査とは、どのような検査なのでしょうか。

心臓の表面には、心臓が動くために必要な血液を供給する冠動脈(かんどうみゃく)という血管が走っています。

今まで、この冠動脈の状態は心臓カテーテル検査でしか分かりませんでした。近年、画像診断技術の向上により、心臓カテーテル検査に比べてからだへの負担が少ない、心臓CTという検査で評価できるようになりました。

心臓CTは、造影剤を静脈注射しながら撮影していきます。円筒状の装置の中に検査台がスライドして撮影するという方法は、通常のCTと同様です。違いとしては、心電図をとったり、検査前に脈拍をゆっくりにする薬を使用したりすることがあります。
撮影した体内の画像は、コンピューターを使って立体的にみることができるため、冠動脈に細くなっている部分がないか、石灰化している部分がないか、血流は保たれているかなどを確認することができます。
また、心臓の構造、機能、血流などを評価したり、心臓バイパス手術後の経過を確認したりすることも可能です。

カテーテル検査に比べて簡単におこなうことができる一方で、冠動脈の石灰化が強い場合には、診断の精度が悪くなってしまうこともあります。
また、造影剤を使用する検査のため、造影剤アレルギーがある方や腎機能が悪い方は検査ができない場合があります。

心臓CT検査が可能かどうかは主治医にご相談ください。

※冠動脈の石灰化
血管壁にカルシウムなどが沈着し、弾力性や柔軟性を失い硬くなった状態のこと。

  • 不整脈

心房細動の治療後、再発が心配です。

心房細動で除細動の治療を受けましたが、今後再発することがあるのでしょうか。また、子供に遺伝するのではないかと心配です。

まず、心房細動についてお答えします。心臓は、心房から心室に電気が流れることで収縮します。心房細動は、心房が300~500回/分ほど電気的に興奮してしまい、不規則に心室に電気が伝わるため、脈がバラバラになったり、頻脈(脈がはやくなること)になってしまう不整脈です。よくみられる不整脈で、高齢になるほどおこる頻度は増加します。心臓弁膜症※1、高血圧、狭心症や心筋梗塞、呼吸器の病気、甲状腺の病気などがある方におこることがありますが、特に病気が無くてもおきてしまうこともあります。一般的な治療方法は、薬物治療、除細動(強い電気刺激を心臓に与えて、心臓の電気回路をリセットする)、アブレーション治療※2になります。

ご心配の遺伝性については,まだはっきりとしたことはわかっていませんが、どちらかというと加齢、もしくは生活習慣病に関連してみられることの方が多いようです。

また、飲酒、睡眠不足、過労などストレスフルなライフスタイルを続けると、再発する可能性が心配されます。再発を繰り返すと、次第に症状が強くなって日常生活にも影響がありますし、合併症として脳塞栓や心不全をおこしてしまうこともあるので、今後は普段の生活から気を付けていただくとよろしいでしょう。

※1心臓弁膜症

心臓には、血液が一方向に流れるように弁がついており、この弁に障害があって弁が十分に開かずに血流を阻害したり、血液の逆流がおこることを心臓弁膜症という。

※2アブレーション治療

先端に電極のついた管を足の付け根の太い血管から心臓まで通し、不整脈の原因となる部分を治療する方法のこと。

  • 不整脈

心房細動でアブレーション治療をすすめられました。

どのような治療なのか教えてください。

心房細動とは、心房が300~500回/分ほど電気的に興奮してしまい、不規則に心室に電気が伝わるため、脈がバラバラになったり、頻脈(脈がはやくなること)になったりしてしまう不整脈です。

治療方法は、薬物療法、除細動(強い電気刺激を心臓に与えて、心臓の電気回路をリセットする)、アブレーション治療です。このうち、アブレーション治療とは、心房細動などの不整脈の原因となっている心臓の部位に高周波電流を流し、50~60度程度の低温で焼灼(しょうしゃく:焼く)する治療のことです。焼灼した部分では電気信号の発生や伝達がなくなるため、正常な脈拍に戻ります。
心房細動でアブレーション治療がおこなわれるのは、不整脈が原因で心臓の機能が低下している場合や、症状があってご本人が治療を希望する場合などです。

実際にどのような治療方法なのかを説明します。
まず、足の付け根などにある太い血管から心臓内部にまで、カテーテルという細い管を通します。カテーテルの先端には心電図をとるための電極がついており、心臓内の詳しい刺激伝導系の機能を調べます。
不整脈の原因となっている部位が見つかったら、カテーテルの先端から高周波電流を流してその部位を焼灼します。焼灼する際に痛みを感じることはありませんが、胸の中が熱く感じる人が多いようです。
入院期間は約4~5日です。経過がよければ治療翌日から歩行が可能です。

治療の合併症としては、感染症、カテーテルによる血管損傷、ほかの不整脈が誘発されるなどです。また、治療後は、血栓(血液の塊)形成を抑制する薬を一定期間内服する必要があります。

治療前に医師に治療の流れや治療後の生活について、詳しく伺ってみてください。

  • 不整脈

房室ブロックと診断を受けました。

医師にペースメーカの設置をすすめられています。房室ブロックの場合、必ずペースメーカーを設置しなければいけないのでしょうか。

心臓は、心房から心室に電気が流れることで収縮します。房室ブロックは、心房から心室に電気がうまく伝わらず、脈が少なくなってしまう不整脈です。症状としては、めまい、だるさ、息切れ、失神などが現れることがあります。

少々専門的になりますが、房室ブロックは種類によって治療方法が異なります。ペースメーカーは、電気の流れを規則正しいリズムに整える装置ですが、I度の房室ブロック、Wenckebach(ウェンケバッハ)型房室ブロックの場合にはペースメーカーを入れずに様子をみます。Mobitz型房室ブロックの場合には、めまいや失神など徐脈による症状がある場合にはペースメーカーを入れます。III度の房室ブロックは心臓の心房と心室がバラバラに動いている状態であり、原則としてペースメーカーが適応になります。

房室ブロックは、自覚症状や不整脈の種類によって治療が選択されますが、このような細かな診断は、詳しい検査を行わないとよくわからない場合があります。まずは、主治医とよくご相談してみてください。

  • 呼吸器の問題

最近、肺気腫と診断され、20年以上吸っていたたばこをやめました。

今後、どのような治療をおこなうのでしょうか。

肺気腫は、肺の中の空気の流れがとどこおる病気です。慢性気管支炎とともにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれています。

肺気腫の最大の危険因子は「喫煙」ですので、たばこをやめたのは非常に重要なことです。禁煙することによって、肺機能の悪くなるスピードは低下することがわかっています。今後も禁煙を継続してください。また、禁煙はCOPDの治療のためだけでなく、肺がんの予防にもなります。

ご心配されている今後の治療については、現在の肺気腫の程度と病気の進行具合によって個人差があるため、今の段階でははっきりと予測することはできません。

肺気腫が進行すれば、気管支拡張薬や副腎皮質ホルモン薬などが必要になることもありますし、中には在宅酸素療法へ移行するケースもあります。特に重要なのは、現在までの「喫煙」により、肺がんのリスクが高くなっている場合があることです。

肺がんのリスクを調べるために、よく使われるのは、ブリンクマン指数(Brinkmann Index: BI)です。BI = 1日のタバコの本数 × 期間(年)で計算します。これが400以上だと、肺がんの発生率が有意に高くなり、600以上では、非喫煙者と比べて20倍も肺がんになりやすいというデータもあります。

肺がんのCOPDの合併率は約40%と高率であるといわれていますし、今後も定期的な検査と主治医のアドバイスにしたがって、病状が悪くならないようにするのが重要だと思います。

  • 呼吸器の問題

自然気胸(しぜんききょう)になりました(20代男性)。

3回目の再発で、医師に手術をすすめられましたが、手術を受けた方がよいでしょうか。

気胸とは、肺の一部分に穴があいて空気が漏れだしてしまい、肺がしぼんでしまった状態のことです。いわゆる肺がパンクした状態です。
気胸のうち、けがや病気などの原因でおきたもの以外で、原因が分からないものを特発性自然気胸(以下自然気胸)とよびます。

自然気胸は20歳前後の男性に多く、胸の薄いやせ形の体型の人に多くみられます。特徴的な症状としては、急におこる胸痛、呼吸困難です。運動をしたり咳込んだり、飛行機の搭乗、ダイビングをした場合におこることもありますが、大半は安静時に発症するようです。

肺がしぼんだ程度が軽度で、進行性でなければ、安静にして様子をみることもあります。しかし、肺が大幅にしぼんでしまい、安静にしても肺が元の大きさに改善しない場合には、鉛筆くらいの太さのチューブを胸に入れて、漏れた空気を外にだし、肺を膨らませる治療がおこなわれます。
また、2回以上再発を繰り返す場合や、両側の肺に気胸をおこしたことがある場合、長期間肺がしぼんだ状態のままの場合、出血を伴う場合などでは、手術がおこなわれます。

手術をしない場合、1年以内の再発率は約50%といわれていますが、手術をすれば再発率も低くなります。近年では胸腔鏡下手術といって、傷跡が小さく、からだへの負担が少ない手術もおこなわれていますので、1回目の発症であっても手術がおこなわれることがあります。
まずはどのような手術になるのかどうか、主治医にご確認ください。

  • 食道の問題

逆流性食道炎といわれました。

ストレスが原因でしょうか。日常生活でどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。

逆流性食道炎とは、胃と食道の逆流を防止する仕組み(主に下部食道括約帯)が十分でなく、胃液や胆汁、膵液が逆流し、食道の粘膜を傷つけて、胸焼け、胸痛、飲み込むときに痛み、吐血などの症状がみられる病気です。

対処方法としては、胸焼けをおこしやすい食事習慣(暴飲暴食、早食い、すすり飲みなど)を避け、胃の働きを低下させる高脂肪食(フライ、天ぷら、炒め物など)、甘味食(ケーキや饅頭)、酸味の強い果物はなるべく控えることです。そして、食後すぐ横になることも避け、睡眠時にはなるべく背中を高く、右側を下にしたほうが、逆流を防止できるといわれています。

ストレスの関与については、はっきりとしたデータはないのですが、一般にストレスが強いと胃酸の分泌が多くなることがわかっていますので、出来ればストレスを少なくする配慮も必要でしょう。

  • げっぷ

少し前からげっぷがよくでます。

なぜげっぷがつづくのでしょうか。

げっぷは、胃の中のガスが、食道を通って口から排出されるものです。

空気を無意識に飲み込んでいる空気嚥下症(呑気症:どんきしょう)は、げっぷや腹部膨満感、腹痛の原因になります。空気嚥下症は、食事の際に食べ物と一緒に過剰な空気を飲み込むことでガスがたまるものです。また、精神的に緊張した時、不安状態、抑うつ状態などで、頻繁にため息をついたりつばを飲みこんだりすることで、ガスがたまることもあります。

からだの病気が原因となるげっぷは、上部消化管の病気に多く、代表的なものは食道裂孔ヘルニア、胃下垂、胃がん、幽門狭窄などの食道・胃の病気です。十二指腸潰瘍や、小腸、大腸の病気のときにもみられ、とくに胃・十二指腸の病気では多くの場合胸やけを伴います。

上記のようにからだの病気が背景にない場合、一般的にげっぷを防ぐ方法としては、食事をできるだけゆっくりすることが大切です。また、胃酸分泌を抑えガスの発生を少なくするために、過食をしない、就寝前には食物をとらない、アルコール、炭酸飲料、香辛料を控えるなど、食事内容にも気をつけることが必要です。

薬物治療としては、胃酸の分泌を抑制する薬、胃の粘膜を保護する薬、胃腸の働きを促進して消化管運動機能を改善させる薬のほか、精神的な要因が考えられる場合は精神安定のための薬が用いられます。

げっぷには病気が背景となっている場合もありますので、症状が続く場合には、一度消化器科で、病気がないかどうかを確認することをおすすめします。

  • 咳と痰

咳と痰の症状が続いており、なかなか治らないので心配です。

悪い病気でしょうか。

咳というのは、からだの防御反応の一つであり、気道に入り込んだ異物を外にだしたり、あるいは肺炎や気管支炎などの炎症によって気道にたまった分泌物(いわゆる痰)を吐きだすのも、咳の役目です。

咳や痰が2週間以上も続くようであれば、慢性的な気管支炎状態になっている可能性が心配されます。または、咳と痰以外に、熱がある、息苦しい、呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューという音がする、痰に血が混じる、胸痛があるといった場合には、肺炎や気管支炎、肺がんなどといった病気が潜んでいることも考えられます。

原因を調べるためには、胸のレントゲン写真を撮って肺の状態を調べたり、必要に応じて痰の培養検査、細胞診(悪性細胞がないか確認すること)、胸部CTなどをおこなうことがあります。

治療は、原因や症状にあわせておこなわれますので、症状が続いたり、悪化する場合は、なるべく早めに内科の診察を受けることをおすすめします。

咳が長引き、咳喘息(せきぜんそく)と診断されました(5歳児)。

咳喘息とはどのような病気なのでしょうか。

しつこい咳が続く場合、咳喘息と診断されることがあります。
咳喘息は喘息とは異なり、明確な定義はありませんが、下記のような特徴があります。

  1. 1.喘鳴(ぜんめい:ゼイゼイ、ヒューヒューという音)を伴わない咳が8週間以上持続する
  2. 2.今まで、喘息になったことがない
  3. 3.気管支拡張薬がよく効く
  4. 4.胸部レントゲンで、肺炎などの異常が認められない

咳は痰を伴わない空咳のことが多く、夜間や早朝に悪化しやすいです。風邪などの感染症、たばこの煙、温度の変化、運動などが引き金になることが多く、アレルギーが関与しているともいわれています。

治療は薬物療法が基本です。ステロイド薬の吸入や、気管支拡張薬の内服、吸入、貼付などがあります。
アレルギーの関与が疑われる場合は、アレルギーの原因を取り除くことも症状を悪化させないことにつながります。また、風邪をひかないようにする、気温の変化に気をつける、たばこの煙に近づけないなど、大人が環境を整えることも大切です。
咳喘息は比較的治療に時間がかかる病気ですので、一時的に症状が落ち着いたとしても、定期的に診察を受け治療を継続してください。

  • 乳房の問題

昨日より、乳房が痛く、乳腺が腫れているような感じもします。

乳がんの症状なのでしょうか。

乳房の痛みのほかに、皮膚が赤くなっていたり、熱を持っていたりする場合は、乳腺の炎症や乳がんの可能性があります。 痛みがあっても、皮膚が赤くなる、熱を持つなどの症状が無い場合には、痛みの原因はほとんど女性ホルモンの働きによるものと考えられていますが、詳細はまだ分かっていません。

痛みがあることがイコール乳がんということではありませんが、痛みをきっかけに検査をしてみて、乳がんが発見されたということはあります。 乳がんの場合、ほかに多い症状としては、しこりや乳房にえくぼのようなくぼみができることなどがあります。 もし、このような症状も見られる場合には、早めに乳腺外科で診ていただくと安心でしょう。

もし痛み以外に症状が無くても、最近乳がん検診をうけていないということであれば、これを機に受けていただくと安心でしょう。

  • 乳房の問題

ブラジャーに、連日黄色いしみがつきます。

乳頭からの分泌物のようですが、何かの病気でしょうか。

妊娠や授乳をしていないにも関わらず、乳頭から分泌物が見られる場合、治療が必要な病気が隠れていないかを確認することが大切です。

乳頭から分泌物がでる場合、ホルモンが関係していたり、乳頭腫のような良性のできものが原因であったり、特に治療すべき病気がなくてもみられることがあります。
血が混じった分泌物が見られた場合には、良性の乳腺疾患以外に、乳がんの可能性もあるので詳細な検査が必要になります。
また、ある特定のお薬を服用されている場合には、薬の影響で乳汁がでることもあります。

乳頭から分泌物が見られた場合には、まずマンモグラフィや超音波検査、分泌物細胞診などの検査をすることが一般的です。
ホルモンが関係する病気が考えられる場合には、ホルモンバランスを調べる血液検査などをおこなうことがあります。

透明や薄黄色い分泌物の場合は、まず良性と考えられますが、わずかな血液は目で見えないこともあるので、念のために乳腺専門医に受診されることをおすすめいたします。

  • がん

ステージⅡbの乳がんといわれました。

手術をおこなう前に、抗がん剤での治療をおこなうと説明されました。このような方法は良くおこなわれるのでしょうか。

乳がんのステージⅡb期とは、しこりの大きさが2~5㎝でわきの下のリンパ節への転移がある状態です。

ステージⅠ、IIa、IIb期のがんは、大きさが比較的小さく、広い範囲に石灰化(乳腺内にできるカルシウムの集まり)がない場合や、がんが乳頭から離れている場合は、「乳房温存手術(しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法)」が可能と考えられています。

今回説明された手術前におこなう薬物療法のことを「術前化学療法」と呼びます。 術前化学療法は、しこりが大きいために乳房温存手術が困難な場合にも、乳房を温存できるようにしたり、切除範囲を小さくしたりすることを目的におこないます。また、使用した薬剤の効果も判断することができます。

治療については、今後も主治医とよくご相談いただき、納得されて治療を受けることをおすすめします。

  • しこり

乳首の下にしこりができて痛みがあります。

がんではないかと心配です。何科にかかればよいのでしょうか(60代男性)。

男性の胸が女性のバストのように膨らみやしこりを生じるものを、女性化乳房症といいます。症状は片方の乳房だけのこともありますが、両方におこることもあります。 加齢、肥満、肝臓の病気、甲状腺の病気、薬物の影響、遺伝などで乳腺が発育することが原因といわれています。

この病気の多くは病的なものではないので、特別な原因がなければ生理的なものと判断されます。通常は1~2年で自然に改善するため経過観察することが多いのですが、痛みが強い場合は薬物治療がおこなわれます。また、美容的な観点上、手術をおこなうこともあります。

大切なことはがんとの区別になりますので、乳腺専門医を受診することをおすすめします。

  • 背中の痛み

以前から時々、背中に痛みを感じます。

1日のうちでも痛みの程度が変わります。何かの病気なのでしょうか(50代女性)。

50歳代以降で、慢性的な背中の痛みであれば、まず、整形外科で背骨の変形などが生じていないかを診てもらうことをおすすめします。

背中の痛みの多くは、背骨や背中の筋肉に由来するものです。パソコンの仕事で無理な姿勢を長く続けたり、不自然な姿勢のまま荷物を持ち上げたりすることはありませんか。もし、症状が長く続くようならば、整形外科にご相談ください。

また、急に現れた症状なのか、慢性的に続いている症状なのかは、病気を推測するうえで参考になります。受診した際には、いつごろからなのか、それは突然おきたのか、それともじわじわと生じてきたのかをおっしゃるとよいと思います。

  • しこり

背中に2cmくらいのしこりができました。

触るとコリコリします。赤く腫れているわけでもなく、痛くもかゆくもありませんが、気になっています。

このような皮膚のできもので多く見られるのは、粉瘤(ふんりゅう:アテローム)という病気です。
よくみられる皮膚の病気で、皮膚の表面にある成分が真皮内に入り込み、表皮成分から出る角質(垢)や皮脂がたまることによってできるものです。表面の皮膚には、一つ、黒い色のふさがった毛穴のようなものがみられることが多いです。
顔面、耳の後ろ、首、背中などにできやすく、大きさは1~数cm大くらいになります。

それ以外に考えられるものとしては、脂肪腫、皮膚線維腫などがあります。

脂肪腫は、痛みのないこぶ状のもので、脂肪組織からなる良性のできものです。徐々に大きくなる場合もあり、5cm以上のものもみられます。背中、肩やおしりのまわりにできやすいです。

皮膚線維腫も、一般的には痛みのない硬いこぶ状のもので、良性のできものです。1cm程度ですが、徐々に大きくなる場合があります。表面は褐色で色素沈着がみられ、手足にできやすいです。

様子をみていてもよいものかどうか、一度診察を受けておくことをおすすめします。

  • しこり

背中のしこりが急に腫れて、粉瘤(ふんりゅう:アテローム)と診断されました。

どのような治療になるのでしょうか?

粉瘤は皮膚の下に皮膚の袋ができ、袋の中に角質や皮脂がたまっている状態です。通常痛みを伴うことはありませんが、自然に治ることはなく、年月とともに大きくなります。大きさは数ミリから数センチになることもあります。
粉瘤の皮膚開口部から細菌が侵入し、化膿することがあり、その場合強く腫れて痛みもでてきます。これを炎症性(化膿性)粉瘤といいます。

治療は、炎症がおこっていない場合には、手術により袋ごと取り出す治療をおこないます。切開して袋の中身だけをだしても、袋が残っていれば必ず再発するといわれています。あまり大きくなる前に手術をすれば傷跡は小さく、ニキビ跡程度で済みます。
炎症がおこった場合の治療ですが、軽い炎症の場合は、抗生物質を内服すれば炎症は治まります。炎症が強く、ひどく化膿している場合には、抗生物質の内服だけでは効果が少ないため、表面の皮膚を切開し、膿を外にだす処置をおこないます。そして、炎症が落ち着いた数ヶ月後に、袋を取りだす手術をすることになります。

手術方法は「へそ抜き法(くり抜き法)」といわれる方法が、手術後の傷跡が目立ちにくく、普及しています。ある程度の大きさまは、局所麻酔の日帰り手術が可能です。

このように、大きさや感染のあるなしで治療も変わってきますので、皮膚科・形成外科で早めに相談されることをおすすめします。