お腹:質問一覧

気になる症状やキーワードのある質問を選択してください。質問を選択しますと下に回答が表示されます。

  • 胃ろう

高齢の母親に対し、主治医から「胃ろう」を造ってはどうかという提案があります。

家族としてどうしたらいいか迷っています。

「胃ろう」とは、お腹に小さな穴をあけ、その穴から胃にチューブをつなぎ、直接胃に栄養や水分を入れる方法です。
飲食物を飲み込む機能(嚥下:えんげ)が弱っていると、食べ物や唾液などが誤って気管に入ってしまいます(誤嚥:ごえん)。
胃ろうが適応となるのは、細菌が唾液などと共に肺に流れ込んで生じる肺炎(誤嚥性肺炎)を繰り返す場合や、食べ物をのどにつまらせて窒息する危険が高い場合などです。

胃ろうを造っても、入浴や運動、口からの食事摂取など、日常生活への支障はほとんどありません。リハビリによって、再び口から食事を摂れるようになれば、胃ろうを除去することも可能になることもあります。しかしながら実際は、一時的な水分と栄養補給の手段を目的として胃ろう造設した場合を除き、一度胃ろうを造ると、再び口から食事できるようになり、胃ろうを除去できるケースはまれです。

胃ろうからの水分と栄養の注入によって、体力が維持できる半面、口からの食事ができない分、QOL(quality of life:その人らしく暮らす生活の質)は低下するかもしれません。また、ケアの状況によっては、胃から逆流した注入物が気管に流れ込み、肺炎がおきることもあります。さらに、胃ろうを造設していると、介護施設などへの入所が制限される場合もあります。

「どのような方法で栄養と水分をとるか」ということは、「どのように生命を維持させるか」ということです。多くの場合、ご自身で判断できず「どのように生命を維持させるか」を家族が判断することになります。
このような背景を受けて適切な支援をすることを目的に、一般社団法人日本老年医学会によりガイドラインが設けられています。また、市民団体でのセミナーなども多く開催されています。

胃ろう造設にあたっては、その時々のご本人の心身の状況はもちろん、ご本人・ご家族の考えや立場によって、いろいろな意見があって当然です。医師・看護師・栄養士・嚥下リハビリテーション担当者などの医療者と、個別の状況に即して、納得できるまで話し合うことをおすすめします。

  • ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染していないか心配です。

検査方法がいくつかあるようですが、どんな検査がありますか。

ピロリ菌は、胃の壁を傷つけ胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうため、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。

ピロリ菌による胃炎が長い間続くと、胃の粘膜が萎縮し萎縮性胃炎という状態に変化します。この変化は胃がんの危険因子と考えられています。

ピロリ菌を調べる検査は内視鏡を使う方法と使わない方法があります。

内視鏡を使う方法は、以下の3種類です。

1.培養法

胃の粘膜を採り、ピロリ菌の発育しやすい環境下で5~7日間培養し判定します。施設によっては、発育した菌を使って薬が効くかどうかの検査をおこない、成功率の高い除菌法を選ぶことが可能ですが、判定がでるまで時間がかかります。

2.組織鏡検法

胃の粘膜を組織標本にし、顕微鏡でピロリ菌の有無を調べる検査です。ピロリ菌だけでなく、炎症の強さ、がん細胞の有無、がんになりやすい細胞の有無も診断することができますが、菌の量が少ないと判定が難しいことがあります。

3.迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素の働きを利用した検査です。採取した粘膜を特殊な反応液に添加し、色の変化により判定します。判定時間は最も早いのですが、プロトンポンプ阻害薬内服中は偽陰性になることがあります。

内視鏡を使わない方法は、以下の3種類です。

1.尿素呼気試験法

空腹時に診断薬を服用し、服用前後の呼気を採取します。最も精度が高い検査です。

2.抗HP抗体価

血液を採取し、菌に感染したときにできる抗体価を調べる検査です。最も簡単な検査方法ですが、除菌後も抗体価が半年から1年程度残るため、基本的には除菌判定には使えません。

3.糞便中抗原検査

糞便中の抗原の有無を調べる検査です。精度は高く、除菌判定にも使います。

検査が必要な状態なのか、またどの検査がよいのかは、病院でよくご相談ください。

  • 保険診療

ピロリ菌陽性といわれたら、除菌治療は必要でしょうか。

保険診療で治療できるのですか。

ピロリ菌の感染により、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因になることがわかっていますので、リスクを減らすためには除菌がすすめられています。
現在、以下に該当する場合に、ピロリ菌の除菌治療が推奨されます。

  1. 1.胃潰瘍・十二指腸潰瘍(胃内視鏡または造影検査で診断)
  2. 2.胃MALTリンパ腫※1
  3. 3.特発性血小板減少性紫斑病※2(原則として18歳以上が対象)
  4. 4.早期胃がん内視鏡治療後胃
  5. 5.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(胃内視鏡検査で診断)

上記の1~5については、保険診療で治療ができます。除菌治療が必要かどうかは、よく医師とご相談ください。

※1 MALTリンパ腫
胃の粘膜にあるリンパ組織(MALT)から発生する、ゆっくりと発育する腫瘍。

※2 特発性血小板減少性紫斑病
血小板が減少し、出血しやすくなる病気。

  • ピロリ菌の治療

ピロリ菌の治療を予定しています。

どのような内容なのでしょうか。

ピロリ菌の除菌治療の流れについて説明します。

通常、1種類の胃酸の分泌を抑える薬、2種類の抗菌薬、合計3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。この治療で約7~8割の人が除菌に成功します。
1次除菌治療薬終了後から、4週間以上、できれば2ヶ月くらいあけて、除菌ができたか確認するために判定検査をおこないます。
判定検査は尿素呼気試験法と糞便中抗原検査をおこないます。

もしも、除菌判定検査でピロリ菌がいることが確認された場合、2次除菌治療をおこないます。

2次除菌治療では、1次除菌と同じ1種類の胃酸の分泌を抑える薬と、1種類の抗菌薬、1次除菌療法とは別の1種類の薬の合計3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。再除菌治療では、8~9割の人が成功します。
1次除菌と同様に、治療薬中止後4週間以上あけて判定検査をおこないます。
2次除菌までの治療は保険診療の適応になります。

2次除菌も成功しなかった場合に、3次除菌をおこなうかどうか検討することになります。今までの経過などから総合的に判断しますので、治療専門医とよく相談されることをおすすめします。

また、治療後も定期的に胃の検診は続けることをおすすめします。

  • 胃の問題

健診のバリウム検査で胃にポリープがみつかりました。

次の定期健診まで様子をみてよいといわれましたが、悪いものではないかと心配です。

胃ポリープは、胃の粘膜の一部が盛り上がった病変で、小さなものは一般的に半年から1年に1回の検査で経過をみます。

ポリープの種類によっては放置しても問題がないものもありますが、2cm以上の大きなものや、がんとの識別がはっきりしないものは、生検(患部の一部を切り取って顕微鏡等で調べる検査)をして組織を調べます。 その結果、がんや腺腫(せんしゅ)と判断されれば治療をおこないます。

バリウムの検査では、胃の全体像、ポリープ表面の凹凸の状態を観察しています。どうしてもご心配な場合は、直接胃の粘膜を観察できる内視鏡検査を一度受けておくことも一法です。 内視鏡設備がある消化器科、あるいは胃腸科でご相談されるとよいでしょう。

  • 腸の問題

内視鏡検査を受けたところ、大腸ポリープが見つかりました。

半年後に再検査予定ですが、それまでに大きくならないか心配です。

大腸粘膜に隆起(りゅうき)する組織を、大腸ポリープといいます。 ポリープは、腫瘍性のポリープと、非腫瘍性のポリープにわけられます。 腫瘍性のポリープの大部分は良性腺腫(せんしゅ)と呼ばれますが、大きさが増すにつれて部分的に小さながんを伴っていることがあります。 一方、非腫瘍性のポリープには、炎症性ポリープや粘膜が少し盛り上がった過形成性ポリープがありますが、いずれも良性でがんとは無関係です。

一般的に、ポリープの大きさが1cm以上のポリープであれば、期間をあけずに切除することが多く、5mm以下のポリープはがんであることはほとんどないため、経過観察とすることもあります。 小さなポリープの場合は通常2~3年程度で大きさや形態が大きく変わることはありませんので、半年後の再検査でも心配ないと考えられています。 ただし、大きさ以外にも、ポリープの形によって対処方法は異なりますから、経過観察の間隔や切除するかどうかは、最終的には医師の判断によるところとなります。

今回経過観察となったのは、小さなポリープで、がんの可能性が低いと判断された結果かと思いますが、ご不安な点については主治医に確認していただくとよいでしょう。

  • 胃の検査

胃のバリウム検査と内視鏡検査では、どちらがよいのでしょうか。

胃のバリウム検査を毎年おこなっていますが、内視鏡の方がよく分かると聞いたことがあるので、どちらを選べば良いのか悩んでいます。

健康診断で食道・胃・十二指腸を検査する方法として、胃のバリウム検査と内視鏡検査があります。 集団検診では、多くの場合胃のバリウム検査をおこない、異常がある場合には内視鏡検査をおこなうことが多いようです。

胃のバリウム検査は、バリウムを飲んでレントゲンを撮影するだけなので、体への負担が少なく、検査時間も短いので、多くの方を対象に検査をおこなうことが可能です。また、実際にバリウムを飲み込む際の状態を確認することができるので、食道の通過障害を引きおこすような病気を見つけることができ、また胃の全体の状態(動きや膨らみ方など)を確認することもできます。 しかしながら、実際に消化管の粘膜におきている微細な変化を指摘できない場合があることや、生検(組織を一部採取して調べる方法)による確定診断をおこなうことはできないというデメリットがあります。

一方、内視鏡検査は粘膜におきている炎症や潰瘍、腫瘍などの変化を見つけることができ、実際に心配な部分があれば生検をおこなって確定診断をつけることができます。 基本的には安全に受けていただける検査ですが、バリウムの検査に比べると体に負担がかかり、検査に伴って消化管に傷がついたり、穴が開いてしまうなどの合併症をおこす可能性もあります。

確かに確定診断をつけることができるという意味では、内視鏡の方が有用かもしれませんが、お体への負担などのデメリットもありますし、バリウム検査だからこそ発見できる病気もあります。 1年毎にバリウム検査と内視鏡を交互におこなう方などもいらっしゃいますので、どの検査を選ぶのかはかかりつけの医師とよくご相談していただくとよいでしょう。

  • げっぷ

少し前からげっぷがよくでます。

なぜげっぷがつづくのでしょうか。

げっぷは、胃の中のガスが、食道を通って口から排出されるものです。

空気を無意識に飲み込んでいる空気嚥下症(呑気症:どんきしょう)は、げっぷや腹部膨満感、腹痛の原因になります。空気嚥下症は、食事の際に食べ物と一緒に過剰な空気を飲み込むことでガスがたまるものです。また、精神的に緊張した時、不安状態、抑うつ状態などで、頻繁にため息をついたりつばを飲みこんだりすることで、ガスがたまることもあります。

からだの病気が原因となるげっぷは、上部消化管の病気に多く、代表的なものは食道裂孔ヘルニア、胃下垂、胃がん、幽門狭窄などの食道・胃の病気です。十二指腸潰瘍や、小腸、大腸の病気のときにもみられ、とくに胃・十二指腸の病気では多くの場合胸やけを伴います。

上記のようにからだの病気が背景にない場合、一般的にげっぷを防ぐ方法としては、食事をできるだけゆっくりすることが大切です。また、胃酸分泌を抑えガスの発生を少なくするために、過食をしない、就寝前には食物をとらない、アルコール、炭酸飲料、香辛料を控えるなど、食事内容にも気をつけることが必要です。

薬物治療としては、胃酸の分泌を抑制する薬、胃の粘膜を保護する薬、胃腸の働きを促進して消化管運動機能を改善させる薬のほか、精神的な要因が考えられる場合は精神安定のための薬が用いられます。

げっぷには病気が背景となっている場合もありますので、症状が続く場合には、一度消化器科で、病気がないかどうかを確認することをおすすめします。

  • 腸の問題

腸にガスがたまります。

受診して薬をだしてもらい、症状はよくなってきましたが、どうして腸にガスがたまるのでしょうか。薬を飲み続けないといけないのでしょうか。

腸管内にガスが多くたまり、腹部膨満をきたした状態を鼓腸(こちょう)と呼んでいます。

その原因として、

  1. 1.飲み込む空気量の増加(呑気症:どんきしょう)
  2. 2.腸管内ガスの異常発生(腸内での発酵や消化吸収不良)
  3. 3.腸管ガスの吸収障害(循環障害や腸炎)
  4. 4.腸管ガスの排出障害(腸運動障害、腸閉塞)

などが考えられます。

今回の症状は、薬でだいぶ治まったとのことですから、おそらく1または2ではないかと推測されます。

この場合の注意事項としては、

  1. 1.肉類の過剰摂取、発酵しやすい食品(芋類や豆類)や炭酸飲料は避ける
  2. 2.繊維性食品をなるべく摂取する
  3. 3.食物の早食いなどの食事習慣があれば、空気も飲み込んでしまうことが多くなるので控える
  4. 4.ガムや菓子類なども控えて、口腔内を清潔に保つ

などが重要です。

もし、これらのことに注意してもよくならないようであれば、別のタイプの薬を内服する必要があります。腸にできものや炎症などの病気がないことを確認するために腸の検査も必要となるかもしれません。今後の経過や治療について、ご不安な点は主治医とよくご相談ください。

  • おなら

おならがよくでて困っています。

何に気をつけたらよいでしょうか。

おならは、口から入った空気や、腸内で食べ物が分解されてでるガス、血液からでるガスで作られます。体積でいうと、9割は口から飲み込んだ空気で、血液からでるガスはわずかといわれています。

腸内で食べ物が分解されてでるガスは、においの元になります。食生活を改善することにより、症状が和らぐ場合もあります。生活の中では、口から空気が入りやすくなる行動があり、例えば、あめやガムを頻繁に食べること、炭酸飲料の摂取、早食いなどがそれに該当します。

体質によっては乳製品をたくさん食べてガスがたまることがあるので注意が必要ですし、肉類などたんぱく質の多い食べ物は、腸内で分解され臭いガスを発生します。たんぱく質は、特に腸の悪玉菌が増えると分解されやすくなりますので、善玉菌(乳酸菌)を十分摂取し、腸内環境を整えることも大切です。

また、ガードルやタイトスカートなど、腸を圧迫する服も、腸が圧迫されて血行障害をおこし、腸の動きが悪くなることがありますので、このような服装は避けるとよい思います。

病気(過敏性腸症候群など)が原因となっている可能性もありますので、症状が続く場合や、おつらい場合は、一度受診されることをおすすめします。医療機関を受診する場合は、消化器内科がよいでしょう。1回の受診で改善を期待するのではなく、長い期間で改善を図るという心がまえが必要となります。

  • 吐き気

空腹時に吐き気があります。

仕事上残業が続き、ストレスも多い状況です。やはり吐き気はストレスが原因でしょうか(30代女性)。

吐き気は、脳にある嘔吐中枢が刺激されて生じるとされています。その原因としては、胃や胆嚢や膵臓の病気、女性の場合は妊娠の可能性などがまず考えられます。それ以外には、内耳の病気でめまいなどの平衡感覚の異常が引き金となったり、脳の病気が原因となったり、心理的な要因が影響することもあります。

そして、吐き気の程度にもよりますが、精神的ストレスが明らかであるときは、まずは、生活を改善して様子をみるのがよいと思います。

今後、仕事のご負担が軽くなるような見通しがあればよいのですが、吐き気が続いたり、食欲が落ちてきたり、体がだるかったりなどといった症状があるときには、まず、内科の診察を受けることをおすすめします。また、妊娠の可能性が考えられる場合は、婦人科への受診もご検討ください。

  • お腹の痛み

数日程前から軽い腹痛が続いています。

空腹時に痛み、排便後には軽くなることを繰りかえしています。普段はゆるめの便ですが、ここ数日はコロコロ便です。日常生活には支障がない程度ですが、このまま様子をみていいものか心配です。

このような軽い腹痛の場合、痛い部分が胸に近い腹部であれば、胃炎や潰瘍、慢性膵炎、胆石症などが考えられます。一方下腹部であれば、大腸炎や尿管結石、女性の場合には婦人科系(子宮・卵巣)の病気が考えられます。

普段と便の性状が異なり、コロコロした便がでるということは、多少便秘気味になったことで腸内の環境が変化したことによる腹痛かも知れません。なかには下痢と便秘を繰り返し、慢性的な腹痛に悩まされる人も少なくなく、そのような症状は過敏性腸症候群などと呼ばれています。今のところ日常生活には支障がないとのことですから、しばらくは様子をみて、腹痛が次第に軽減していくのであれば大きな問題はないと思います。

また、不規則な食生活や、ストレスが多いことが明らかであれば、生活習慣をまず改善することもおすすめします。ただし、生活習慣に気をつけても腹痛が軽快せずにますます便秘になったり、吐き気や嘔吐がみられたりするようなときには、早めに消化器科の診察をお受けになることをおすすめします。

  • お腹の痛み

数日前から食後にシクシクした腹痛が出現します。

空腹時は痛くありません。アルコールが加わると、痛みが強くなります。胃から胸にかけて詰まっているような感じがして、げっぷが多いです。何がおきているのでしょうか。

このようなシクシクするような痛みで、痛い部分が胸に近い腹部であれば、胃炎や潰瘍、慢性膵炎、胆石症などが考えられます。一方、下腹部であれば、大腸炎や尿管結石、女性の場合には婦人科系(子宮や卵巣)の病気が考えられます。

今回の症状は、「胃から胸にかけて詰まっているような感じ」がしているのと、「げっぷが多い」ということですので、やはり胃や食道の不調ではないかと思います。

今回のような症状をもとに医療機関を受診すると、逆流性食道炎などを想定して、胃の内視鏡検査をおすすめする可能性が高いです。また、胃酸をおさえる薬を飲んで症状が改善するか経過をみることもあります。

アルコールを飲むと胃酸の分泌が増え、胃粘膜が傷つく原因になりますので、極力控えるのが賢明です。不規則な生活習慣や食事に気をつけても痛みがおさまらなくなったり、吐き気や嘔吐がみられるようなときには、消化器科受診をおすすめします。

  • 吐血

1ヶ月前アルコールを飲んだ後、吐血しました。

毎年胃カメラは受けています。最近では3ヶ月前に受け正常といわれていました。その後、吐血はしていませんが、何がおきたのでしょうか。

吐血がみられた場合に考えられる病気としては、急性胃炎、胃・十二指腸の潰瘍、胃がん、食道炎、食道静脈瘤、そしてマロリー・ワイス症候群などがあります。

3ヶ月前に胃カメラを受けていて正常といわれていたのですね。それであれば、胃潰瘍や胃炎などの病気が急に発生するとも考えにくいですし、食道の静脈瘤の可能性も低いでしょう。そして、出血はその後みられないことや、アルコールを飲んだあと嘔吐に続いて吐血したという経過から見て、上記のうちマロリー・ワイス症候群の可能性が考えられます。

これは頻繁に嘔吐することに続いて吐血してしまう状態のことで、アルコール多飲など腹圧の急激な上昇が原因と考えられています。胃カメラで観察すると、食道と胃のつなぎめに裂けた傷があります。通常は自然に止血して予後は良好ですが、時に大量出血をきたすことがあるといわれています。

今回、すでに約1ヶ月にわたって出血はみられないとのことですから、マロリー・ワイス症候群としてもすでに治癒している可能性が考えられます。それでも、何か重大な病気が潜んでいる可能性もゼロではありませんので、今後同じような症状がみられた場合には、胃カメラの検査をもう一度お受けになったほうがよいと思われます。

  • 胆のうの問題

人間ドックで胆のうにポリープがみつかりました。

今後どのような治療になっていくのでしょうか。

胆のうポリープには、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープがあり、腫瘍性のポリープには、良性の腺腫(せんしゅ)と悪性のがんがあります。 非腫瘍性のポリープには、コレステロールポリープ、炎症性ポリープなどがあり、がんになることはありません。 健康診断では、超音波検査で発見されることが多く、その場合は、非腫瘍性のポリープや腺腫がほとんどです。大きいポリープの場合は悪性である可能性が高くなり、10mmを超える胆のうポリープのうち25%にがんが認められています。

一般的に5mm以下の胆のうポリープは1年に1回、6〜10mmのポリープは6ヶ月に1回超音波検査をおこない、大きさや形からがん化の兆候がないか、定期的に確認することが多いです。 10mmを超えるものはがんの可能性も高いので、切除をするか、より慎重な経過観察をおこなうかを検討していきます。

胆のうポリープの形や大きさによっても定期検査の間隔や治療方針が異なりますので、医師によく確認しておきましょう。

  • 胆のうの問題

人間ドックの超音波検査で、胆のうに石があるといわれました。

自覚症状はないのですが、経過観察といわれ心配になりました。、治療の必要は無いのでしょうか。

肝臓で作られた胆汁は、胆のう(西洋ナシのような形をした袋状の臓器)で貯蔵、濃縮されます。食事をすると胆のうが収縮し、胆汁は胆管という管を通って十二指腸へ流れ込みます。 この胆汁の通り道のどこかに石ができてしまう病気が、胆石症です。

胆石症は、石ができる部位によって、以下のように分類されます。

1.胆のう結石

胆のうの中に石ができるもので、胆石症全体の約90%を占めます。

2.胆管結石

全体の約10%で、多くは胆のう結石が流れ出たものです。

3.肝内結石

稀に、肝臓の中の胆汁の通り道に石ができることがあります。

今回、胆のう結石を指摘されたようですが、胆のう内に胆石がある方のうち、約80%は長年にわたって何の症状もなく経過します。その場合は、治療の必要はありません。 しかし、胆石が胆汁の出口をふさいでしまった場合には、胆のうが腫れて炎症をおこし、お腹の右上のあたりに痛みを生じます。痛みを繰り返す場合や、激しい痛みをおこす場合は、治療が必要です。

治療方法は、胆のうを摘出する手術や、薬で溶かす治療などがありますが、胆石の性質や大きさ、胆石がある場所、症状などによって異なります。

現在症状が無ければ、様子を見ていてよいとは思いますが、1年に1回は健康診断で変化がないことを確認しておくことをおすすめします。

  • 肝臓の問題

人間ドックを受けたところ、CT検査で肝臓に血管腫があると指摘されました。

血管腫とは何でしょうか。

肝臓にできる良性腫瘍の中で、最も頻度の高い腫瘍が血管腫です。血管腫とは細い血管が無数に絡み合ってできたおできのようなもので、スポンジのような構造をしており、血液を多く含んでいます。肝臓には多くの血管が集まっているために、血管腫ができやすいといわれています。

ほとんどの方が自覚症状はないために、検診などの検査で偶然発見されることが多い病気です。

治療は、自覚症状がなければ経過を見ていくだけで十分ですが、大きくなる、自覚症状を感じる場合は切除をする対象になります。

通常は、半年後に再度検査を受けて、大きさの変化がなければ年に一度程度の検査で経過をみていきます。

  • 膵臓の問題

腹部超音波検査をしたところ、膵臓に嚢胞(のうほう)が見つかりました。

1年後に検査をして様子をみるようにいわれましたが、大丈夫でしょうか。

膵嚢胞とは、膵臓の中や周囲にできる袋状のもので、袋の中には液体がたまっています。自覚症状はないため、CTやMRI検査で偶然見つかることが多い病気です。
膵嚢胞を大きく分けると、炎症性の嚢胞と腫瘍性の嚢胞があります。炎症性の嚢胞は膵炎などの炎症に伴いできたものです。一方、腫瘍性嚢胞は、膵管(膵臓で作られた膵液を十二指腸へと流す管)の粘膜にできた腫瘍細胞が、多量の粘液をだし、これが膵管内にたまって袋状に見えるものです。

腫瘍性嚢胞は、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、漿液性嚢胞腫瘍(しょうえきせいのうほうしゅよう:SCN)などに分類され、経過を見ていくだけでよいものから外科治療が必要なものまであります。その中でも発生頻度が圧倒的に多いIPMNについて説明します。

IPMNは良性の段階から悪性の段階までさまざまな段階があり、良性から悪性へと変化していくことが知られています。そこで、IPMNは良性なのか、それともすでに悪性に変化していないかなど慎重に見極めることが重要になります。
IPMNは数年から数十年かけてゆっくりと発育するものですので、悪性所見のないIPMNの場合、半年から年に一度の定期検査により大きさを経過観察し、もしも悪性に変化している所見が疑われれば、手術による切除をおこないます。

専門的な知識、技術が必要な病気ですので治療経験の豊富な専門医を受診されることをおすすめします。

  • 腸の問題

足の付け根に腫れたような違和感があります。

鼠径(そけい)ヘルニアかもしれないと思うのですが、何科を受診すればいいですか。

ヘルニアとは、ある臓器が本来おさまっている場所から他の部位にでてくる状態を指し、からだのいろいろな部分でおこりえます。鼠径部(そけいぶ:足の付け根付近)には鼠径管という小さな穴があいており、そこから小腸などの一部がでてしまうのが鼠径ヘルニアで、脱腸と呼ばれることもあります。

症状としては、立った時やお腹に力を入れた時に、鼠径部の皮膚の下に柔らかい腫れが生じ、不快感や痛みを伴います。通常は指で押さえると引っ込みます。

治療は外科でおこなわれます。基本的には、薬の内服などによって治ることはなく、外科手術が必要となります。最も一般的におこなわれているのは、人工補強材(ポリプロピレン製メッシュ)を、小腸などがでてくる筋膜の弱い部分に入れて補強する方法です。内視鏡を用いた腹腔鏡下手術でおこなう方法もありますが、手術の方法は病状や各施設の方針により変わります。

もし腸の一部がはみだしたまま戻らなくなると、腸の壊死や穿孔(穴があくこと)をおこすこともあります。この場合には、急いで手術をしなければ命にかかわることになります。

  • 生殖器の問題

停留精巣(ていりゅうせいそう)と診断されました(6ヶ月男児)。

手術はいつ頃おこなうのがよいでしょうか。

精巣(睾丸:こうがん)は、胎児の頃にはお腹の中にありますが、成長とともに下降し、出生時には陰嚢(いんのう:精巣が入っている袋)の内部におさまります。
この精巣の正常な下降が何らかの原因で妨げられ、途中で止まってしまったものを停留精巣と呼びます。

精巣が陰嚢内に下降せずお腹の中にあると、高い温度環境にさらされてしまうので、精子を作る機能が少しずつ失われ、精子の数も減っていきます。この変化は温度が高ければ常に進行してしまいます。
また、停留精巣を放っておくと、大人になってからがん化することもあるといわれています。

1歳までであれば自然に精巣が下降する場合もありますが、1歳以降には自然下降が望めません。1歳前後、遅くても2歳までには手術をおこなうことが一般的です。

1歳のお誕生日を過ぎても精巣が陰嚢内に触れなければ、専門の小児外科または泌尿器科の医師にご相談して下さい。

  • 肝臓の問題

献血をして、「HBs抗体陽性」いう通知がきました。

受診の必要はないと記載してありますが、B型肝炎ウィルスに感染しているということなのでしょうか。

B型肝炎は、HBV(B型肝炎ウィルス)の感染によっておこる肝臓の病気です。 肝炎になると肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなってしまいます。

今回献血で「HBs抗体陽性」という結果がでたようですが、これは「現在B型肝炎に感染している」という意味ではありません。「過去にHBVに感染し、その後治癒した(ウィルスがからだの外に排除された)」場合にHBs抗体陽性を示します。 また、B型肝炎ワクチンを接種した場合にも陽性となります。

HBs抗体が陽性の方は、仮にHBVが体内に入ってきてもウィルスは排除され、肝炎を発症することもありませんので、ご安心ください。

  • 肝臓の問題

友人がB型肝炎にかかっていると聞きました。

最近疲れやすいのですが、自分にも感染していないか心配です。

肝炎ウイルスによって生じる肝炎を、「ウイルス性肝炎」と呼び、日本では、その多くはB型肝炎もしくはC型肝炎です。

今回ご心配されているB型肝炎ウイルスは、血液や性分泌液を介して人から人へと感染します。 主な感染経路としては、肝炎ウイルスに感染している人からの輸血、出産時の母から子への感染、あるいは入れ墨やピアス穴を開ける時の器具の使いまわし、そして性交渉などです。

逆に言えば、日常生活を過ごすうえで、特段の心配はいりません。握手したり、一緒に湯船につかったりすることで感染はしません。食器の共有や洗濯についても、普段通りのやり方で心配ありません。

一過性に発症する急性肝炎と、持続感染者(ほぼ生涯にわたり感染が継続するケース)におきる慢性肝炎では、症状が異なります。 B型急性肝炎は、1~6ヶ月の潜伏期間のあと、全身のだるさ、食欲不振、嘔吐、黄疸(皮膚が黄色くなる)などが現れます。一方、B型慢性肝炎では、一般に急性肝炎でみられる症状は現れにくく、自覚症状はほとんどありません。

症状だけで感染の有無を確かめることはできません。 もし上記のような感染経路に心あたりがある場合には、医療機関でのご相談をおすすめします。

  • 検査の数値

数ヶ月もγ‐GTPが高い値です。

受診しましたが、経過観察となっているため心配です。本当に治療の必要はないのでしょうか。

γ‐GTP(γーグルタミルトランスペプチターゼ)の検査で高値を示した場合、心配な病気としては、胆管がん、胆のうがん、膵がん、アルコール性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎などです。これらの病気の場合、γ‐GTP以外にもさまざまなデータが異常値を示すことが多いので、γ‐GTP単独の異常であれば、一時的な現象として様子を見ることもよくあります。なぜなら、γ‐GTPが高値となる原因には、アルコール多飲、脂肪肝、肥満、薬剤による副作用などもあるためです。

そのため、γ‐GTP以外にも異常がないかどうかを確認して、治療するかどうかを決めることになり、おそらく担当の医師は、γ‐GTP以外にはこれといった異常がないために、経過観察をされていることが考えられます。ただし原発性胆汁性肝硬変でないことを確認するため、抗ミトコンドリア抗体のチェックは必要でしょう。まずは、主治医とよくご相談されることをおすすめいたします。

  • 肝臓の問題

γ-GTPが200以上でした。

肝臓の薬を飲んでいますが、数値を下げるためにはほかに何がありますか。

すでにご存知のことと思いますが、γ-GTPが上昇する病態として、胆石、胆管炎、胆管がん、脂肪肝、アルコール性肝炎、薬剤性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、慢性膵炎、糖尿病などの病気があります。

このような病気が隠れていないか調べるために、詳しい血液検査、腹部超音波、MRCP(MRI装置を用いて胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査)などの検査をおこなうこともあります。

今回、肝臓の薬をすでに飲んでいるということですが、ウルソデオキシコール酸(肝血流量の増加や、胆汁の流れをよくして胆石を溶かす作用、脂肪吸収促進作用があります)が処方されているかと思われます。

薬での治療以外には、アルコールを控える、体重を落とす、カロリーをとりすぎない、などといったことがすすめられます。